岩手大学の学生団体「さんもり」が現在、盛岡城のマスコットキャラクターのデザインを募集している。(盛岡経済新聞)
同団体は、岩手大学と盛岡市が地域の活性化や課題解決などに取り組む学生団体を支援する「地域課題解決共創事業」をきっかけに、昨年7月から活動。「盛岡のぬくもりで盛り上げる」をキャッチフレーズに掲げ、盛岡城跡公園への興味関心を高めるきっかけづくりを行っている。
盛岡城跡公園をテーマに選んだ理由について、代表の浅野奈美さんは同大学と公園が離れた場所にあることを挙げる。「公園から近い地域で過ごす市民にとっては憩いの場になっているが、岩大生にとっては遠い場所。行ったことがないという学生も多い。史跡というよりはただの公園というイメージもある」と浅野さん。「城の復元についてもさまざまな検討が進んでいるが、盛り上がっていない印象もある。未来に継承するためには、若い世代を中心にもっと関心や愛着を持ってもらうことが必要」と話す。
昨年の活動では盛岡城跡公園に関する塗り絵やイラストを募集したが、応募者が子どもに偏ってしまうという課題が残った。今年はより幅広い世代に参加してもらおうと、昨年からアイデアが出ていたマスコットキャラクターの募集を行う。
誰でも応募可能とし、専用の応募用紙にキャラクターのデザインと説明、氏名や年齢など必要事項を記入の上、郵送とメールのほか、市内数カ所に設置した応募箱で受け付ける。集まった作品は審査や投票を行い、最優秀賞と優秀賞を決定。最優秀賞のキャラクターは団体の活動を広めるチラシなどで活用する予定。広報を担当する吉岡拓輝さんは「将来的には、市が発行するチラシや書類などにも使ってもらえるようなキャラクターになれば」と期待を込める。
マスコットキャラクターの募集以外に、公園内を歩きながらクイズを解く「謎解き事業」も計画中。なかなか足を運ばない奥まった場所など隅々まで公園を見てもらおうとクイズ作りと問題の配布準備に取り組んでいる。
浅野さんは「キャラクターを作る過程で盛岡城について調べてもらえると思うので、城と公園について知ってもらえるチャンスだと考えている。盛岡城跡公園は知識が深まる場所という側面もある。私たちの活動を通じて、少しでも興味を持ってもらいたい」と呼びかける。
締め切りは9月30日。応募方法などの情報は同団体のSNSで発信している。