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若手職人が手掛ける南部鉄瓶「あかいりんご」 PR活動注力、職人活躍後押しへ

  • 2019年11月13日
  • みんなの経済新聞ネットワーク

 南部鉄器の製造・販売を行う「タヤマスタジオ」(盛岡市向中野7)は現在、若手職人が手掛ける南部鉄瓶「あかいりんご」プロジェクトのPRに取り組んでいる。(盛岡経済新聞)

 同社では2017(平成29)年に自社ブランド「kanakeno(かなけの)」を立ち上げ、鉄瓶の販売やイベントを通じた魅力発信などに取り組んできた。「あかいりんご」は今年8月に発売した鉄瓶で、リンゴをモチーフにしたシンプルなデザインと、Red・Black・Brownの3色があるのが特徴。型作りから着色まで全ての工程を、石杜広平さんと長坂海翔さんの2人の若手職人が手掛ける。

 南部鉄瓶を作るには100以上の工程があるが、若手職人はその一部にしか携われないという。そのため、完成した鉄瓶を見ても「どこが悪かったのか」「自分がどう失敗したのか」がつかみにくい側面がある。そこで、一つ一つの工程を身に付けてから次に進むのではなく、全体の工程を把握しながら各工程に対する理解を深めてもらおうと「あかいりんごプロジェクト」がスタート。鉄瓶自体もシンプルなデザインにすることで、基礎を学びながら早い段階で高い技術を習得できる工夫もされている。

 職人となってから石杜さんは6年目。「自分の作品として全ての工程を行うことはあるが、人の手に渡るものではないからこそ妥協してしまう部分も少なからずある。『あかいりんご』は商品を提供するという責任が自分の成長にもつながる」と石杜さん。

 職人2年目の長坂さんは「このプロジェクトを聞いた時は驚いたし、衝撃を受けた。1つの工程だけをやっていると気づけないことにも、全部の工程をやってみると気づくことができる」とプロジェクトの重要性を話す。「自分のミスがお客様をがっかりさせるだけではなく、会社やブランドに傷を付けることになるという責任感も持てるようになった」とも。

 今回は鉄瓶のPRを行うとともに、「若手を育成したい」という思いを広めるためにクラウドファンディングに挑戦。目標金額は100万円で、集まった金額が全て寄付されるAll-In方式を取る。返礼品には、「あかいりんご」1つを届けるもののほか、同社がプロデュースするカフェ&ショップ「お茶とてつびん engawa(えんがわ)」で利用できるチケットなどを用意する。今回はプロジェクトの周知が目的のため、集まった金額は主に「あかいりんご」の製造費用や返礼品の準備費用などに使われ、目標を上回る金額が集まった場合は若手職人の研修費へと充てる。

 長坂さんは「『あかいりんご』は使い手にとっても職人にとってもエントリーモデル的な存在。これをきっかけに、職人に興味を持ってもらえたらうれしい。皆さんと一緒に長く続く伝統を受け継ぎながら、さらに成長を続けていきたい」と意気込む。石杜さんは「他の伝統工芸にも通じる部分はあると思うが、これまで受け継がれてきた修行の方法を変えるというのにも長い時間がかかる。自分達は今それに挑戦している最中。それを応援してもらうことが修業の励みにもつながる」と呼び掛ける。

 クラウドファンディングの締め切りは12月16日まで。

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