劇団「野らぼう」による初の野外テント芝居「新装版 内側の時間」が9月20日~22日、松本・あがたの森公園(松本市県3)の芝生広場で上演される。(松本経済新聞)
同劇団は2018(平成30)年に結成し、松本市を拠点に、テント劇場での公演を目指して活動。野外劇のほか、昼間に太陽光パネルを用いて充電した電力を照明や音響に使う「ゼロカーボン演劇」にも取り組んでいる。
同公園で昨年上演した「ロレンスの雲」が、「第13回せんがわ劇場演劇コンクール」でグランプリを、同作の脚本・演出を手がけた前田斜めさんが劇作家賞と演出家賞を受賞。5月に行った受賞記念公演は、劇場内で目標としていたテント芝居を実現した。その際に上演した「内側の時間」に手を加え、「新装版」として初の野外テント芝居に挑む。
作品は、いくつかの物語をコラージュでもオムニバスでもない形で紡ぎ、「意味を超えて『本当のこと』が起きているような体感」ができるように仕上げたという。出演する8人が生演奏する場面もあれば、生成AIを活用した劇中歌が流れる場面もある。出演者の一人、成田明加さんは「メンバーそれぞれが持ち寄ったのは全く別の話だが、一緒に過ごす中で自然と共有してきたもの含まれている。それを大きな渦にして、見ている人にも感じてもらえれば」と話す。
当日は、テント内に客席を70~80席用意。今回も「ゼロカーボン演劇」として、事前に充電した電力を使う。公演期間中には、劇評を文字や絵、音楽などで募る「劇評ライブラリ」やクラウドファンディングも始める予定だという。成田さんは「風の音や虫の声などの環境音と共に、野外テント公演ならでは時間を楽しんでもらえれば」と呼びかける。
19時開演。料金は一般=3,000円、大学・専門学校生=2,500円、中高生=2,000円、小学生=500円。当日はいずれも500円増し。予約はウェブで受け付ける。10月13日には東京・都立武蔵野公園、11月3日には静岡・佐鳴湖公園でも上演する。