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鎌倉腰越海岸でおもちゃ花火大会 「腰越愛」詰まった5分間に歓声

  • 2021年9月24日
  • みんなの経済新聞ネットワーク

 「腰越浜キャンドル&おもちゃ花火大会」が9月19日、鎌倉の腰越海岸で開かれ、コロナ禍の中、地元住民らが夜のイベントを楽しんだ。(鎌倉経済新聞)

 【写真】用意した「おもちゃ花火」は昨年より30本増え80本

 台風14号の影響で1日順延となったこの日は、朝から青空が広がり真夏のような暑さが戻った。18時過ぎ、周囲が暗くなるに連れ、砂浜に1000個のLEDキャンドルで描いたスマイルマークや線路、江ノ電のキャラクター「えのんくん」が浮かび上がる。国道を渡り海岸に降りて来た人たちの多くが、夕焼けに染まった江ノ島を背景に写真を撮ろうとスマートフォンを向けた。

 「コロナ禍で事前の告知を控えていたものの、口コミや直前のSNSなどで知った地元住民のほか、イベントを知らずに通りかかった人たちも集まったようだ」と話すのは、主催した「チーム腰越」代表の中嶋寿子さん。「検温と消毒をお願いし、連絡先の記入をしてくれた人だけで110人。周辺にいた人も含めれば、かなりの人数になったのでは」と続ける。

 18時30分、波打ち際で最初の花火が打ち上がった。「一般の人が購入できるレベルのおもちゃ花火なので、花火師による花火に比べたらサイズも音も小さい。その分、すぐ近くで見ることができるのが特徴」と中嶋さんが話す通り、目の前で次々と上がる火柱に、集まった人たちから歓声が上がった。

 用意した80本の花火が終わるまで、わずか5分間。最後の1本が打ち上がった直後、海岸には大きな拍手が響いた。子どもたちは「楽しかった」「迫力があった」「また見たい」などと言葉を交わしていた。30代主婦は「子どもたちが終始大興奮。窮屈な夏休みだったが、いい思い出になった」と話し海岸を後にした。

 同イベントは昨年9月12日にも開いている。「コロナ禍で大きな花火大会や夏のイベントが中止になった。少しでもいいから子どもたちに夏の思い出をつくってあげたい」とチーム腰越で考えたのが花火大会だった。中嶋さんが横浜の花火店を訪ねると、「本格的な花火は予算的に無理だったが、市販の花火で楽しんでいる自治会や学校などがあることを教えてもらった」と言う。

 「子どもの頃、夏の夜に校庭で見た花火は、先生たちが点火していたことを思い出した」という中嶋さんは、その場でおもちゃ花火を購入。「自分たちの手でやれることをやろう」と土木事務所や消防署、市役所に届けを出し開催にこぎ着けた。用意した花火の数は50本。当日の参加者から寄付を受け付けたが、赤字で終わった。

 来場者から「また来年もやってほしい」と声を掛けられた中嶋さんは、地元の寺院だけを巡り朱印を集める「腰越ご朱印帳」を手作りして、収益をイベントの資金にすることを思い付く。5月から1部3,000円で150部を売り、「作り手にも対価を払いながら、花火にも予算を回せた」と胸を張る。

 朱印帳の製作過程でつながった寺院からのサポートがあったり、チーム腰越で作ったマップを駅に置いてもらおうと出向いた江ノ電本社で「帰りがけに花火大会の話をしたら、思いがけず大きな花火を寄付してくれることになった」(中嶋さん)りするなど、応援してくれる人も増えた。

 「せっかく応援してもらい規模も大きくできたのに、コロナが収束しないため大々的に告知ができなかったのが残念」と中嶋さんは、来場できない人に向けて、初めてSNSでライブ配信も行った。「想像以上にたくさんの人が見てくれた」と手応えを感じている。

 花火が終わると、子どもを中心に来場者らがLEDキャンドルをあっという間に回収してしまった。中嶋さんは「『チーム腰越』は正式な団体ではなく、地元が大好きでプロジェクトを手伝ってくれた人がメンバー。だから今日は参加者全員が『チーム腰越』」とほほ笑む。点火係として参加した日向慎吾さんも「コロナ禍で停滞することが多い中、腰越の人たちの地元愛やパワーに改めて驚いた」と話す。

 中嶋さんは「大人たちが手作りで頑張る姿は、『どんなときでも希望と笑顔を忘れない』と言うメッセージになって子どもたちに届いたはず。何かのときに思い出して、今度は自分たちも実践してほしい。そしてこれからの腰越を担っていってくれれば」と話す。

 翌朝、中嶋さんらは海岸の清掃も行った。

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