アーティストが短期滞在し地域の魅力発信や創作活動に取り組む「マイクロ・アート・ワーケーション」で滞在中のアーティストと沼津市民の意見交換会が9月4日、アートギャラリー「アートスペース入サ岩崎商店」(沼津市白銀町)で行われた。(沼津経済新聞)
意見交換会の様子
マイクロ・アート・ワーケーションは、アーティストが「旅人」となり静岡県内各地で約1週間のワーケーションを行う企画。同ギャラリーでは京都府、石川県、静岡市から3人のアーティストを受け入れた。
意見交換会には約20人が参加。旅人が滞在の様子や感じたことなどを共有した。
旅人として参加した静岡県の演劇集団「SPAC」の俳優、鈴林まりさんは「沼津で私が一番魅かれるのは秘密がいっぱいあるところ。建物には人間と同じように呼吸があると思う。沼津に移住する人がどんどん増えたら最高なことだと思うが、それと並行して住んでいるのは別の場所という人でも、遊びに来て沼津の人たちと関わるだけで受け取れる大きいものがあると思う」と話した。
市内から参加した50代男性は「旅人として滞在するアーティストが見る沼津は、地元民と違った視点で新たな発見があった。意見交換会が終わってからも、会場のあちこちで雑談に花が咲き、楽しい時間を過ごすことができた」と話していた。
「アートスペース入サ岩崎商店」の佐々木千彩美さんは「今回、ジャンルの異なる3人の作家が滞在したことで、それぞれの視点から沼津の街の魅力を切り取っていた。会話を通じて、彼女たちが感じた沼津への印象を知り、私自身が知らなかったことを発見できた。この経験は、今後の私の施設での活動に大きな影響を与えると感じている。これからもアートの視点で沼津の色々なところを掘り下げていきたい」と意欲を見せる。
鈴林さんは「地域の魅力を感じ取って言語化するミッションをどこまでの深さでできたか分からないが、良い経験ができた。次の役作りに、この滞在で吸収したことを生かしていきたい。今回こうして沼津の皆さんとつながることができたので、今後また沼津に来られる仕事があれば。そうなる方向に行動していきたい」と意気込む。