和食料理店「新割烹 柚子(ゆず)」(伊勢市御薗町、TEL 0596-27-1754)が9月に入り、伊勢地方の家庭で昔よく食べられていた郷土料理「あいまぜ」を商品化し販売を始めた。(伊勢志摩経済新聞)
【その他の画像】新割烹 柚子が伊勢の郷土料理「あいまぜ」を商品化
「あいまぜ」は全国さまざまな地域で食されている郷土料理で、法事や正月など人が集まる場所で提供されてきた。地域によって呼び名も変わる。農林水産省の「うちの郷土料理」のデータベースにも三重県の郷土料理として紹介されている。
同店では、大根、ニンジンの紅白なますに、油揚げ、シイタケ、ちくわ、こんにゃくを、それぞれ別で煮て味付けして、具材を合わせて混ぜ、ゴマを振りかけ完成させる。
店主の田中則晴さんは「『あいまぜ』は地元で取れる産物を生かした料理で、味付けや具材も家々で独自のものがある。たくさんの野菜を使うので学校給食の定番メニューで、子どもの頃に食べ、記憶に残る郷土料理になっている。しかしながら近年では核家族化による料理の伝承が途絶え、家庭で作られなくなっている。スーパーの総菜やコンビニの弁当で済ませる人が多く、食べる機会も少なくなっているのが現状」と話す。
田中さんは「おせち料理に入れたところ、あいまぜだけ食べたいという人が多く、注文を頂いてから作って売っていたが、このほど、冷凍してもおいしく食べられるように商品化した。懐かしい伊勢の味を楽しんでもらえれば」とも。
価格は880円(200グラム入り)。営業時間は、11時30分~14時30分、18時~21時30分。火曜定休。予約制。