二見興玉神社(伊勢市二見町)の「夫婦(めおと)岩」の男岩(おいわ)と女岩(めいわ)に架かる大しめ縄が9月5日、新しく張り替えられた。(伊勢志摩経済新聞)
【その他の画像】伊勢・二見興玉神社の夫婦岩の大しめ縄が新しく張り替えられました
長さは約35メートル、太さ約10センチ、重さ約40キロの大しめ縄3本を夫婦岩に新しく張り替える祭典「大注連縄張(おおしめなわはり)神事」は、毎年5月5日と9月5日、12月の3回行われる。台風10号の影響による高潮で、8月31日の満潮時に3本の大しめ縄が全て切れ、この日まで切れた状態のままだった。
同神事は、本殿で大しめ縄と作業をする氏子らのおはらいをした後、夫婦岩の前の海岸に移動し、3本の大しめ縄を手際よく張り替えた。この日は風もなく、青空が広がる晴天だった。
これまで大しめ縄は5本だったが、女岩への荷重による負担を軽減させるため、前回の5月5日の張り替え神事から3本に変更した。金子清郎宮司は「江戸時代の絵図などの古い文献には、夫婦岩に掛かる大しめ縄は3本が描かれている。大しめ縄を3本に変更し、古来の本数に戻すことができた」と話す。
福岡出身の男性は「二見の観光案内所で聞いてやって来た。たまたま大しめ縄の張り替えのタイミングに参拝に来ることができて良かった」と話す。
大しめ縄は、夫婦岩の沖合約700メートル先の海中に鎮座する猿田彦大神ゆかりの「興玉神石(おきたましんせき)」、夏至の日前後に夫婦岩の真ん中から現れる「朝日・太陽」、直線距離で約200キロ以上離れる「富士山」に対しての「鳥居」の役割を果たしているといわれている。