黒田人形浄瑠璃伝承館(飯田市上郷黒田)で2月23日、高校生座員を中心とした「黒田人形座 自主練習成果発表会」が開かれる。(飯田経済新聞)
舞台前で笑顔を見せる桐生さんと藤田さん
黒田人形は約300年の歴史があり、同座には現在、高校生から80代まで21人の座員が所属。1975(昭和50)年には、今田人形(龍江)、早稲田人形(阿南町)と共に「国選択無形民俗文化財」の指定を受け、今年で50年を迎えた。
1973(昭和48)年には地元の高陵中学校に「黒田人形部」が創部され、座員が週1回、同校へ出向き「人形遣い」や三味線などを指導。高校進学後に座員として加わる生徒もいるため、同座には同部出身者も多く所属しているという。
高校生座員主体の「自主練習会」は3年前に始まった。人形遣いや三味線演奏の技術を高めようと月2回ほど稽古に励んでいる。高校生座員4人のうち、三味線担当の桐生萌心葉さんと藤田和奏さんが今春、高校を卒業し地元を離れ進学することが決まっており、その前に練習の成果を披露する場を設けようと初めて「自主練習成果発表会」を企画した。
桐生さんは中学入学後、校内での黒田人形体験会に参加。三味線を弾く楽しさに引かれたことがきっかけで同部へ入部。藤田さんは桐生さんの誘いで途中入部し、三味線を始めた。2人は1月に開催された「南信州民俗芸能フェスティバル」にも出演。「三番叟(さんばそう)」上演の際、三味線演奏を担当し、経験を積んだ。
当日は、高校を卒業する2人を含めた若手座員8人が「三番叟」や「生写朝顔日記 大井川の段(いきうつし あさがおにっき おおいがわのだん)」を上演するほか、幕あいでは桐生さんと藤田さんが初の裃(かみしも)姿で三味線演奏を披露する。
桐生さんと藤田さんは「6年間の練習成果をしっかりと出し切りたい」と口をそろえ、意気込む。
13時30分開場。14時開演。観覧無料。