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本庄で「塙保己一の奉納刀」特別展示 市有形文化財指定記念で

  • 2024年9月14日
  • みんなの経済新聞ネットワーク

 本庄の「アスピアこだま」(本庄市児玉町八幡山)内にある「塙保己一(はなわほきいち)記念館」で9月10日、「塙保己一の奉納刀(ほうのうとう)」の特別展示が始まった。本庄市が4月に「塙保己一の奉納刀」を市有形文化財に指定したことを記念して行う。(本庄経済新聞)

 奉納刀が見つかった塙保己一生家(国指定史跡)

 2021年12月、有志が集まって月1回開いていた会議で、「温故学会」(東京都渋谷区)理事長の斉藤幸一さんが、参加していた保己一の子孫の荻野悦一(よしかず)さんに「塙保己一に関する遺品がないか」と質問した。荻野さんは「何かあるかもしれない」と答えたので、後日、同市の文化財保護課担当者が自宅に出向き、「飾り太刀(奉納刀)」を確認したという。温故学会は1910(明治42)年、保己一の偉業顕彰の目的から渋沢栄一らにより設立され、現在「群書類従」版木の保管や各種啓発事業を行っている。

 飾り太刀は、箱書きや刀剣評価鑑定士の所見から、近世に製作されたもので、保己一が1783年7月、保木野村の稲荷明神へ奉納したものと推定されるという。保己一は同年3月、検校(けんぎょう)に就任しており、生家ゆかりの神社へ報告する意図で奉納したと考えられる。拵(こしらえ)は糸巻太刀拵(いとまきのたちこしらえ)で、柄(つか)の木製部分全体とさやの元の部分を錦で包み、その上から絹の組みひもがひし形に巻かれている。

 「1937(昭和12)年刊行の『塙検校遺物集』に稲荷大明神(現在の御霊(ごれい)稲荷神社=児玉町保木野)に奉納されたという記載があるが、その行方は誰も知らなかった」と斉藤さん。「時代は不明だが、宮司から荻野家に渡ったと思われる」とも。同市では2022年、飾り太刀を初めて特別展示した。

 開館時間は9時~16時30分。入館無料。月曜休館(休日の場合は翌日)。10月14日まで。

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