八戸で「カマキリが多い」というXへの投稿が現在、複数確認されている。(八戸経済新聞)
Xに投稿されているのは「100円ショップの入り口がカマキリ楽園になっている」「コンビニの窓や建物の入り口に多くのカマキリが張り付いている」「八戸ってこんなにカマキリがいるの」「八戸でカマキリが大量発生している」など。8月下旬ごろに投稿が増え始めた。
実際に八戸市内で話を聞くと、八戸在住の医療機関で働く男性は「車のフロントガラスなどにしがみ付いているのを見た」、介護職の女性は「8月下旬ごろから施設内で見かけるようになった」、女性会社員は「八戸駅西口の地面に大量にいた」、男性会社員は「夜に銭湯を出たら歩いていた」と、それぞれ話す。
昆虫を研究する市民で作る団体「八戸インセクト研究会」のメンバーで、八戸市農業経営振興センター(八戸市尻内町)職員の幸田洋平さんによると、八戸で多く発生しているのは小ぶりで茶色いコカマキリだという。八戸では今年、主に夜、商店の窓や照明に大量に発生している様子を幸田さんも確認しているという。「夜行性ではないが、照明に集まる小さな虫を捕食しているのでは」と幸田さん。
コカマキリは関東以南に多く生息し、分布の北限は宮城県や山形県だと考えられていたが、青森県では2000(平成12)年、青森市、五所川原市、旧岩崎村(現深浦町)などの津軽地方で相次いで確認された。南部地方では2019年前後、八戸市内の数地点で数匹確認され、昨年は8月下旬から9月下旬にかけて多く発生していた。今年も9月下旬まで多い状況が続くと考えられるという。
幸田さんは「コカマキリが増えた原因は分からないが、餌になり得る昆虫が増え、生息できる環境があれば、南から来た虫が増えることは推測できる。害虫ではなく、トンボと同じように不快害虫を食べてくれると考えれば、益虫にもなり得る」と話す。