江戸川区は9月17日、災害時危機管理対策として一般社団法人「日本キッチンカー経営審議会」と「災害時におけるキッチンカーによる物資の供給等に関する協定」を締結した。締結式は江戸川区役所で開かれ、斉藤猛江戸川区長と同法人の山口純司理事長が協定書を交わした。(江戸川経済新聞)
災害時におけるキッチンカーによる物資の供給等に関する協定 締結式
同法人は約700のキッチンカー事業者や企業などから成る団体。現在、約2000台のキッチンカーを所有し、さまざまな食種の事業者が全国で活動している。食品の調理設備を備えた車両を用いて全国で食事を提供することが出来るため、災害発生時に食の支援の面で役立つ見込みがあることから、同区との協定締結に至った。
締結式の中で、斉藤区長は「体だけでなく心の面でも助けてくれるのがキッチンカー。温かくおいしい食事をその場で提供してくれることほどうれしいことはない。以前から『災害時はキッチンカー使った食事を提供してほしい』という声も多く聞かれる」と話す。災害時での稼働について、山口さんは「ガス、電気不要のソーラーパネルで稼働できるようになっている車両もある。大きな設備を搭載すれば、揚げ物やなべ物だけではなく、さまざまな種類の食事を提供することも可能」だという。
能登半島地震における支援活動もした同団体は、石川県珠洲市と連携し、食事の提供に関する情報提供を避難所向けに行った。震災発生後約1カ月後の2月7日から、提供情報は市公式LINEなどを通じて住民に拡散され、1回につき200食以上を配布をしたという。
「今後は、さらに短期間で食事提供できるよう、各地の行政と連携したい。被災者に気持ちのリフレッシュを促したり笑顔を与えたりしたい。そうしたことを役目にして活動している」と山口さんは話す。江戸川区では、災害発生時に行政無線や公式アプリ、SNSなど17通りの方法で情報提供を行う見込み。同区危機管理部防災危機管理課の藤川則和さんは「現在、区内の学校は112校が避難所になっている。今後は区民から要望を聞きながら、冷たいものや温かいものなど、さまざまな食事を大きな災害があった際に提供できたら。キッチンカーに助けてもらって災害危機管理対策を進めていきたい」と話した。