開館50周年を迎えた千葉県立美術館(千葉市中央区中央港1)が11月4日、記念式典を開いた。(千葉経済新聞)
記念切手贈呈の様子
1974(昭和49)年10月に開館した同館。開館以来、千葉県にゆかりのある作家や作品を中心に収集と展示を進めてきた。同館によると、開館当時135点だったコレクションは、2885点に増えたという。今年に入り、50周年記念特別展として、浅井忠作品展「浅井忠、あちこちに行く」、五十嵐靖晃作品展「PROJECT UMINOUE(プロジェクト海の上)五十嵐靖晃 海風」、千葉市に本社のあるZOZOと連携した企画展「HELLO!コレクションZOZO×千葉県立美術館」などを開催してきた。
式典には約60人の来賓が参列。打楽器奏者の安藤巴(とも)さんと幕張総合高ダンス部のコラボレーションによるパフォーマンスの披露、開館50周年記念オリジナルフレーム切手の贈呈などが行われた。文化庁長官、国立西洋美術館館長などを歴任した同館アドバイザリー会議座長の青柳正規さん、貝塚健館長、熊谷俊人千葉県知事による記念トークも披露された。
主催者としてあいさつした貝塚館長は「私たちはすでに100周年に向けてスタートを切っている。50年後、さらに素晴らしい美術館になっていることを約束する。この美術館で皆さん自身の物語を作ってほしい。それを手伝うことに喜びを感じる」と話した。
熊谷知事は千葉県が今年3月に「アートを問う」を理念として策定した「千葉県立美術館活性化構想」に触れ、「節目の年にこれまでの歩みを振り返り、千葉県の美術を高めていく第一歩を踏み出したい。アートの概念を広げていく県のこれからの挑戦に、ますますの理解と支援をいただければ」と話した。
神谷俊一千葉市長の代理として参列した大木正人副市長は「市民の創造性が高まり、人々の新たなつながりが生まれ、未来に向けて創造的な力がより開いていくことを目指し、県とともに文化芸術の振興に取り組んでいきたい」と祝辞を贈った。
50周年に当たって同館では、所蔵作品から厳選した100点の作品を掲載したカタログ「千葉県立美術館コレクション100選」 (3,000円)の発行、開館50周年記念ギャラリー「50年のチラシで歩みを振り返る」、ホームページでの「開館50周年記念ページ」の設置などを展開している。2025年には記念講演会の開催も予定する。