大津市在住の獣医師でキャリアコンサルタントの岡野顕子さんが著した電子書籍「愛玩動物看護師のキャリア:それぞれの歩み」の販売が9月1日、始まった。(びわ湖大津経済新聞)
岡野さんは全国の動物病院でキャリアコンサルティングを行う
2023年4月から国家資格となった愛玩動物看護師のキャリアを紹介する同書籍。子育てしながら大阪公立大学獣医学部付属獣医臨床センター(泉佐野市)で働く白木文恵さんや、ぬのかわ犬猫病院(横浜市)の動物看護師で事務局長も兼任している田渕明さんら9人の愛玩動物看護師にインタビューし、それぞれのキャリアをまとめた。キャリアコンサルタントとして全国の動物病院のキャリアを支援する中で2022年10月には、8人の獣医師にインタビューした「獣医師のキャリア:それぞれの歩み」を出版している。今回が第2弾。岡野さんは「動物看護師は女性の比率が高く、結婚や出産で辞める人が多かった。動物が好きという思いが強い人が多く、頑張りすぎて燃え尽きてしまう人もいる。さまざまなキャリアの動物看護師を紹介することで、今、迷っている若い人たちに『いろんなキャリアがある』と知ってもらえれば」と話す。
岡野さんは獣医師としてダクタリ動物病院京都医療センター(京都市西京区)に18年勤務し、事務局長、副院長、院長を務めた。社員採用や教育にも携わり、退職後の2019年、Veterinary Career Lab SMILE(ベテリナリー キャリアラボ スマイル)を設立。動物病院を中心にキャリアコンサルタントを請け負っている。
岡野さんは「動物病院は中小事業者が多く、メンターとなる先輩がいないことが多い。獣医師も動物看護師も離職率が高く、常に人手不足。将来のキャリアを想像しづらい環境だと感じていた。思ったより早く院長の職を離れることとなり、自分の経験を生かして中立的な立場で人にフォーカスした支援を提供したいとキャリアコンサルタントになった」と振り返る。「目標や大事にしていることなど、核がないと転職を繰り返してもキャリアアップにならない。動物業界でのキャリア支援を広めたい。本を通して、みんな悩みや迷いを経験しながらキャリアを歩んでいることを知ってもらいたい」とも。
価格は980円(Kindle版)