沖永良部島の下平川小学校(知名町下平川)の小学3年の児童らが9月9日、タイ・スリン県のアヌバーン・トーンウン初等学校の小学5年・6年の児童らとオンラインで文化交流を行った。(奄美群島南三島経済新聞)
下平川小学校の児童らによる棒踊り
交流では、下平川小学校の児童らは日本語と島ムニ(方言)で自己紹介。その後、棒踊りを披露した。タイの児童らは「日本の授業を見ることができて感動した」「日本の言葉をたくさん学んで、話す練習ができた」と話す。その後、副校長のウライラックさんがタイの伝統舞踊を披露したほか、児童らはタイの民族衣装や漫画、楽器などに親しんだ。
実施に当たり、アヌバーン・トーンウン初等学校の教員らが5日に来島。和泊町歴史民俗資料館など島内の文化施設を見学したほか、各校を訪問して校長らにあいさつ。オンライン交流は下平川小学校のみで、大城小学校、和泊小学校、知名小学校、田皆小学校の4校では伝統舞踊披露などの体験授業のみ実施。台風の接近で、国頭小学校のみ短時間の交流となった。
同企画は、島ムニ(同島の方言)研究をきっかけに2018(平成30)年から島を行き来する神田外語大学特任准教授の冨岡裕さんによる紹介で実現。2月に同島の島ムニ継承に取り組む地域住民らが、タイの文化継承の取り組みを視察しており、その訪問先で交流のあったアヌバーン・トーンウン初等学校の教員らを招いたという。
冨岡さんは「他者の文化を知ることで、自分たちの文化を考えるきっかけになるのでは。互いの先生たちが会って話せたことにも意義を感じる。これからは直接やり取りして活動につなげてほしい」と期待を込める。