ランチと総菜を提供する「五感庵」(北区王子4)が築47年の賃貸住宅の1階にオープンして、9月20日で1カ月がたった。(赤羽経済新聞)
五感庵日替わりお膳
同店が入居するミカワヤビルは今年で築47年目を迎える。ビルオーナー高須弘絵さんの祖父母が、かつてビルの1階部分で日用品雑貨店を営み、2階以上は賃貸住宅として活用していた。日用雑貨店が約30年前に閉店した後、テナントとして活用されていたものを高須さんが引き継ぎ、パートナーの和田雄樹さんと共にビル全体をフルリノベーションした。2人は、同ビルをフルリノベーションすることで入居者同士がつながり、さらには地域に根差していけるような場所にしたいと考えたという。
共同オーナー2人の思いに沿ったテナントや入居者を募る中、建物の顔となる1階に中村泰章さん・由美子さん夫婦が五感庵として入居。泰章さんは内装業を営む傍ら、五感庵のサポートを行っている。平日は近所に住む由美子さんの妹、土曜は長男が店を手伝いに来る。
店主の由美子さんはこれまで、学校の給食室で調理の仕事に就いていたが、いつかは自分で飲食店をやりたいと思っていたという。店の物件を探している時に偶然、子どもの頃の通学路だった場所にあるミカワヤビルの募集があり、応募した。「これまで飲食店や接客業の経験もなかったが、自分がかつて住んでいた街の物件に引かれて開業を決意した。家族とミカワヤビルに入居している人々やオーナーの2人に支えられてオープンに至ったが、オープンした後も周りの人々が常に気にかけてくれて、それがエネルギーとなって1カ月がたった」と振り返る。
五感庵の屋号は「五感で食事を楽しむ庵(いおり)」として名付けたという。メニューは週替わりランチ(1,200円)とテークアウトできる10種類ほどの総菜を並べるほか、手作りスイーツもそろえる。
「ランチや総菜には、お米マイスターが選ぶ特別厳選米や旬の食材を使っている。始めたばかりなので欲張らず、自分たちができることをやって、店名通り、店に来る人が五感で楽しめてホッと落ち着けるような場所になれれば」と由美子さん。
営業時間は11時30分~18時。月曜・木曜・日曜定休。