阪神大震災では、災害ボランティアとして多くのキャンプ指導者が活躍しました。それは単純に不便なところで生活することになれているからでしょう。「どこでも生活できる、寝られる」ということは、この緊急時では強みなのでしょう。
また、ふだん人間相手に活動していることから、ボランティアステーションの人間関係を円滑にすることや、現場での判断の速さなど、テクニックに限らず人間性の部分でも応用が利くようです。
最近は大地震だけでなく、落雷による停電など、日常生活が突如続けられなくなる場面がよくあります。
今回は、生活の備えを使いながら、緊急時に使えるアウトドアスキルをいくつか紹介しましょう。
●まずは備えを
このような緊急時では、まず3日間自力で生活できる備えをしておくことが必要です。
備えていないとどうにもならないのが水です。飲用だけで、2リットルのペットボトル6本くらいを用意しておくと良いでしょう。
この他に、備えておくと便利なものとして、
カセットコンロ(もちろん予備のガスも)、懐中電灯(もちろん予備の電池も)、ラジオ、軍手などがあります。
●キャンプ指導者はこう考える
「何もできない!」「どうしよう!」そんな場面にあったとき、いちばん怖いのはパニックになってしまって正確な判断ができなくなることです。
まずは、落ち着いて周囲の状況を冷静に観察しましょう。
キャンプの指導者はこんなとき「なんとかなるだろう」とプラス思考で考えるようにトレーニングされています。
例えば、
「停電でご飯が炊けない!」
じゃあ、カセットコンロと鍋でご飯を炊いてみようか。
「ふとんが使えない!」
段ボールと新聞紙をマットと布団代わりにすれば、今晩くらいはしのげそうだ。
と考えます。どうでしょうか、とっさのときこんな発想になれるでしょうか(笑)。
●ビニール袋でご飯を炊く
鍋が使えない。きれいな水が少ししかないとき、ビニール袋でご飯を炊くことができます。
●ブルーシートで屋根を張る
日差しが強いとき、雨が降ってきたとき、シートを使って屋根を作る技術を持っているととても役立ちます。
(2008.9.11更新)
著者プロフィール
高瀬 宏樹 (たかせひろき)
日本キャンプ協会の職員として、全国を飛び回ってキャンプを指導することがしごと。ふだんはキャンプインフォメーションセンターで広報業務や相談に応じている。3歳と8歳の男児の父親として体を張った子育てを実践中。