今回のテーマは「夜」です。夜に遊ぶとはいっても悪い遊びではありません。キャンプの夜の楽しみはキャンプファイアーだけではないのです。
日頃の生活では、暗さを感じることはあまりありません。どこもかしこも「明るさ」を求め、「暗い=怖い」ものと思っていませんか?
子どもたちも、暗闇をとても怖がります。想像力が豊かということもありますが、むしろ「暗闇に慣れていない」ことが正しい理解でしょう。満月の夜、広場に立つと月の明かりで人影が出来ることをご存じですか?月の夜はとっても明るいのです。
一方で、まったくの暗闇のなかで、耳を澄ませてみると、風が木を揺らす音、虫や鳥の鳴き声などいろいろな音が聞こえます。夜の静けさは、いろいろな音が世の中にあることを気づかせてくれます。
キャンプでよく行う遊びに「ナイトハイク」がありません。「肝試し」は今のキャンプではあまり行われません。夜の恐さだけが強調されて、子どもたちに「夜」の自然への興味を失わせてしまうからです。
ろうそくとアルミホイルで手作りのランタンを作って、柔らかな炎で見る自然もなかなかよいものです。できるだけ懐中電灯を持たずに、夜の森を歩いてみましょう。 暗闇になれてくると、人間の目でも充分に見ることが出来ます。
IOREシート(日本教育科学研究所発行)「光の虫眼鏡」より
夜の活動は、当然のことですが周りが見わたせません。人数の確認をまめに行うことや、昼間のうちにコースを歩いておいて、危険な箇所がないかどうか確認しておくことも必要でしょう。
(2008.4.3更新)
著者プロフィール
高瀬 宏樹 (たかせひろき)
日本キャンプ協会の職員として、全国を飛び回ってキャンプを指導することがしごと。ふだんはキャンプインフォメーションセンターで広報業務や相談に応じている。3歳と8歳の男児の父親として体を張った子育てを実践中。