サイト内
ウェブ

Vol.03 失敗しない雨具のえらびかた−雨を楽しむには雨具から

  • 2005年6月2日

 キャンプをはじめるにあたって、個人装備としてはじめに必要なのは、間違いなく雨具とりわけレインウェアでしょう。通常の雨具として使うことは当然ですが、防寒具としてなど他の目的で使うことも珍しくはありません。実際の現場や自分自身の経験をもとに、レインウェアの選び方、使用法や汎用性、意外と重宝する使い方などをまとめてみました。

雨具として必要な機能は?

レインウェア・全身

 まずは本来の目的である、雨具としてですが、雨の中でも活動を行う際にはどういった機能が要求されるでしょうか?雨具を着た内部を、濡れない・蒸らさないようにし、快適さを保つことが一番要求されることだと思います。そのために雨具には防水性や透湿性が要求されます。一般的にはゴアテックス素材が有名ですが、アウトドアメーカー各社は毎年、最先端の素材や技術を使った製品を発表し、店頭に様々な種類のものが並んでいます。

 また、着心地のよさという意味では、雨具自身の重さも重要な要素のひとつです。活動によっては朝から晩まで長時間着用することがあり、登山などの活動においては、ほんの数グラムでも、疲労度に影響してきます。ましてや、水分を吸収してさらに重くなると、かなり影響が大きくなります。さらに、時期によってはフリースやセーターといった衣類の上に着用することもあり、生地が厚いとかさばり動きづらくなってきます。そういう意味では薄手で、動きやすいもののほうが機能的です。

 雨具はどんな色がよいのでしょうか?当然自分の好きな色を選ぶことが多いと思いますが、キャンプではひと目で存在がわかるような、目立つものを選ぶことをお薦めします。なぜならば、雨天時での活動においては視界があまりよくないため、安全の面からも、誰にでも目にとまりやすいカラフルな色を着用することが望ましいからです。

レインウェア・フード レインウェア・前 レインウェア・ジッパー

 デザインやポケット、ジッパー、袖口、フードなどの細部の機能は各メーカーの様々なアイデアで作られています。個人的な好みや、どんな活動をするかによって、必要なものや必要でないものがあるため、ここではみなさんにお任せをしたいと思います。ただ、シンプルで必要最低限のものがあれば充分だと思います。

防寒着として

雨の山歩き

 夏の都会が暑いからと、長袖を持たずにキャンプ場へ行って「寒い、寒い」と後悔したことはありませんか。夏のキャンプの失敗談によくある防寒対策です。

 防寒具や防風用としてレインウェアは重宝します。高地にあるキャンプ場は朝晩、間違いなく冷え込み、半袖では過ごせません。また、夏の登山は、早朝から歩きはじめることが当たり前ですが肌寒いことが多いので羽織って出発します。登山が終わってからも高地では夕方もぐっと気温が下がるので、再びレインウェアを着用し、完全防備を行います。

 また、MTB(マウンテンバイク)でも必需品です。特に下りは一気に降りると、風により体感温度はかなり低くなり、猛烈な寒さに襲われます。通常は峠から下りをスタートする前に、防寒・防風用に雨具を着用してから下りはじめます。

冬のジャケットとして

冬のジャケットとして

 個人的には雪上活動においても雨具を好んで使うことが多いです。当然、時期や場所にもよりますが、3月になると気温も上がり、寒さもいくぶん和らぎ、昼間はポカポカとすることが多く、アウターは雨具でも充分です。また、雪がとけやすく、濡れ防止が大きな課題です。さらに、雪が降るよりも雨が降ることが多くなり、冬用のジャケットやスキーウェアではびしょびしょになるため、雨具を着るほうが快適に過ごすことができます。

 キャンプでは、テントよりも寝袋よりも先に持つことをおすすめする「雨具(レインウェア)」。ファッショナブルなものは都会でも着こなせるので、ぜひ一着持つことをおすすめします。

浜谷 弘志さん

著者プロフィール
浜谷 弘志(はまたに ひろし)
日本アウトワードバウンド協会長野校校長
アウトワード・バウンド・スクール(Outward Bound School:通称OBS)とは、世界27ヶ国に35校のネットワークを持つ非営利の世界的冒険教育機関です。登山、ロッククライミング、マウンテンバイク、沢登りなど様々な冒険(野外)活動を通して、自己の可能性やあり方、また、他人を思いやる心など、豊かな人間性を育むことを主な目的に活動を続けています。

 

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。

掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。