第31回　アンチエイジング・スペシャリスト／オーガスト・ハーゲスハイマーさん
アンチエイジングな食の法則とは…

健康に重要なのは免疫と抗酸化物質

ホールフーズ、「一物全体」一つのものを丸ごと食べるということですね

水・空気・大地もピュアな環境が大切 　ホールフーズとは、その名のとおり野菜や果実などそのものをまるごと食べることです。
　サプリメントを飲まなくても、ヘルシーな人たちは存在するのではないか、そして、アクティブで幸せに健康な生活を送っている人たちを実際見て確かめてみたいと思うようになり、実際にいくつもの違う土地に足を運び確かめてみました。
　そこから、まったく異なる民族で、食べ物や環境は全部違うのに、アクティブで健康的で幸せな人たちがいることが分かりました。そして、それらの人たちの生活に必ず共通していることを発見しました。どの民族も緑色をした若い雑草をそのまま丸ごと食べていたのです。彼らはみな、100％天然のナチュラルホールフーズを食べていたのです。

　彼らは誰一人として「これはビタミンCだ」といってレモンを食べているわけではありません。天然の植物をそのまま食べているだけで、あるミネラルだけを選んで大量に摂るということなど絶対にしないのです。
　植物に含まれる栄養成分はたくさんあり、はっきりと分かっている栄養成分の他に、ファイトケミカルといわれている、まだ解明されていない成分もたくさんあります。それらはまるで宇宙のようにまだ解明されていないのです。

最近では「予防医学」という考え方も注目されていますね

　どんなに大金持ちでも、ある日突然倒れて二度と普通の生活に戻れなくなったら、「あらゆる富と引き換えに自分の健康を取り戻したい」と思うでしょう。でも、そうなってからでは遅いのです。本当に大切なことは、予防することなのです。

ある日の朝食。緑色の濃い葉野菜は毎食たっぷりと 　免疫力が弱まれば病気になりやすくなることは、ご存じですよね。カゼをひきやすかったり、治りづらい。
　私の考えでは、免疫に一番大きな影響があるのは、肝臓の状態です。お酒の飲みすぎは肝臓に良くないと誰もが知っているけれど、その他のことを意識している人は少ないですよね。口にするもの（食物・ドリンク・サプリメントなど）の中に入っている添加物、農薬は間違いなく肝臓を弱くします。肝臓が弱ることで病気だけでなく、コラーゲンが減少し、しみ・シワが増えやすくなり、ホルモンバランスまで崩れてしまいます。その結果、早く老けるということにもつながります。
　強く健康な肝臓をつくり、保つためには緑色野菜がおすすめです。なぜならクロロフィルをはじめとする豊富な栄養成分が、肝臓を洗浄して良い状態を保ってくれるからです。

アサイーの様子を見に、アマゾンでのオーガストさん　そしてもう一つ、抗酸化物質については、病気の予防だけでなく、美容のため（アンチエイジング）にも効果的ということで注目が集まっています。その中で皆さんがよくご存じなのは、ビタミンCやコエンザイムQ-10、緑茶に含まれているカテキンなどではないでしょうか。ひと言に抗酸化物質といっても、実はたくさんの種類があり、それぞれに働き方も違います。

　野菜や果実には、たくさんの種類の抗酸化物質が含まれています。そのなかでも、一年中紫外線が強い赤道線に近い地域で穫れるものには、さらに豊富に含まれています。なぜなら、そうすることによって身を守っているからです。それこそ私がブラジル（アマゾン）のアサイーにこだわる大きな理由なのです。
　2006年、アメリカの学会でアサイーは野菜・果実の中で最も抗酸化力（ORAC）が高い（ケタ違いに!!）と発表され、知られています。

　カラダに本当に良いものを見極め、摂り入れること。またそれを生活習慣にしてしまうことで、自分の免疫を高めて病気を予防すること。それは、そんなに難しいことではないのです。

ニュージーランドの家では野菜作りをしていると伺いましたが…

ニュージーランドの自宅の菜園で　ニュージーランドの自宅で食べる野菜の7割くらいは、庭の畑から採ってきます。
　私の大好きな緑の濃い葉野菜は、多いときだと8種類くらいできます。ハーブも豊富に作っていて、ハーブは種をとっておいてまた植えています。
　人間も、自然のきれいな空気の中で暮らしていればいいけど、都会にいると排気ガスなどによる活性酸素の影響も大きい。環境と闘うために何を食べるのかも大切なこと。そして現在の健康状態だけでなく、人生の目的や今後体をどうしたいかを考えて食べることも必要ですね。