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知的な不快感を乗り越える方法

  • 2017年4月21日
  • ライフハッカー[日本版]


99u:プロのアスリートであれば、痛みや逆境、不快感に直面し、それを克服することは日々の仕事の一環かもしれません。でも、今日の労働力の大半を占める知識労働者の場合、直面する逆境の種類が異なります。彼らは、知的な不快感に対峙しなければならないのです。

誰しも、知的な不快感を経験したことがあるでしょう。プロジェクトをはじめる準備をしているときの、あの直感的な反応です。書類を読みながら、内心こう思ったことはありませんか?

まいったな。こりゃ大仕事になるぞ。

この感情は、あなたの知的能力を圧迫します。圧倒的な困難が押し寄せているような恐怖を感じるでしょう。その瞬間、あなたは意気消沈してしまいます。諦めてしまうかもしれません。あるいは、やってもみないで、役を降りてしまうこともあるでしょう。でも、このような感情を打破しない限り、未来のベストな自分にたどり着くことはできません。

アスリートは、不快感の中でも心を落ち着かせる練習をしています。ですから、スキルを伸ばしキャリアを進めるには、あなたも同じことをしなければなりません。困難なタスク、つい飛ばしてしまうタスク、あるいは先延ばしてしまうタスクほど、必要であることが多いものです。安全策を取ったり、知的な刺激への挑戦から逃げてしまったりするたびに、革新や成長の能力を自ら妨げ、自分のまたは会社のお金を無駄にし、能力を無駄遣いしているのです。

でも、かんたんなタスクでは自己の成長は望めません。私は学生時代、クロスカントリーをやっていましたが、1マイル走を4から6セット繰り返すインターバル・トレーニングが大嫌いでした。1セットはトラック4周。これを全力で走らなければなりません。セットとセットの間には1周だけリカバーの時間があります。とても、つらくて不快なトレーニングでした。それでも、そこで得たスピードと耐久力のおかげで、大会でのチャレンジと痛みに備えることができました。トレーニング中に痛みを経験していたので、レース中に感じた痛みも、乗り越えられると直感で理解できていたのです。そのトレーニングを取り入れると自ら選択してから、初めて自己ベストを更新できるようになりました。

ランナーの場合は痛みを身体的に乗り越えますが、知的労働者の場合は知的な不快感を心理的に乗り越えなければなりません。そのためには、目の前のタスクを終えるために大切なことに、とにかく集中することが必要です。以下に、そのための戦略をいくつか紹介しましょう。

インターバル走のように働く


ポモドーロ・メソッド、あるいはトマト・タイマー・メソッドと呼ばれる方法です。1980年代後半に、Francesco Cirillo氏によって提唱されました。頻繁に休憩を取ることで心の敏捷性が改善できるというアイデアに基づいています。このテクニックでは、タイマーを使って仕事をインターバルに分けます。25分に1回休憩を挟むのが従来の方法ですが、ここでちょっと工夫を加えましょう。インターバルを、知的な不快感への耐久力を得るための時間とするのです。

タイマーを10分にセットして、ブレインストーミングの時間にしてください。そして、タイマーが鳴るまで、挑戦的なプロジェクトに取り組むのです。この追加課題は、効果と効率を高めるために必須です。10分間はメールの画面を閉じ、ケータイの通知を切り、着信音も消しましょう。毎週この時間を10分ずつ延ばし、複雑な仕事を1回に数時間続けられるようにしていくことが目標です。

『The Way We're Working Isn't Working』の著者Tony Schwartz氏も、ポモドーロ・メソッドの原則を取り入れている1人です。その理由は、「人はエネルギーの消費と回復を繰り返すようにつくられているから」だそう。Schwartz氏は、著書『Overwhelmed』にこのように書いています。


私は今、90分のスプリントを3から4回繰り返して書いていて、100%没頭できています。間には休憩をはさみます。何かを食べたり、走ったり、瞑想したりと、意識的にチャンネルを変えています。私が最初の3冊を書いたときは、それぞれ1年以上の年月がかかりました。でも最新作は、1日に半分の時間しかかけていないのに、半年で書き上げることができました。


辛いときほど、休憩前にもう1セット


学生時代のクロスカントリーのコーチは、私たちを精神的にも肉体的にも高めるために、トレーニングをその場で追加することがままありました。残酷だけど、効果は抜群です。「やっと終わった。もうこれ以上一歩も走れない」と思った直後に、また走らなければならないという苦境。そして、それを実際にやり遂げたという感覚。これを、知的な不快感にも適用するのです。もうやめたいと思ったら、もう1セットやる。もう1行、文章を書く。もう1枚、スライドをつくる。もう1つ、計算を終わらせる。それを終えてから、休憩に入りましょう。ハードワークとバーンアウトのギリギリの線を進むには、休憩・回復の時間は必要不可欠です。その日の仕事、あるいはその週の仕事で自分を追い込んだ場合、回復の時間も長めに取りましょう。そう、このエクササイズは、ほんの少しでも多くの作業を進めるためであると同時に、意を決してその一歩を踏み出せるかどうかを試すテストでもあるのです。


決断疲れに立ち向かう


フロリダ州立大学で心理学を研究するRoy Baumeister氏は、決断疲れはリアルだと主張しています。決断疲れとは、私たちがあまりに多くの意思決定をしたときに、疲れのあまり感情的または知的に消耗してしまうことを意味します。米国のCory Booker上院議員は、1日に下す決断の数をその日に耐えうる数に抑えることで、決断疲れに対処しているそうです。私の著書『Work Simply』のインタビューに、彼はこうこう答えています。

集中力を削ぐものと雑多な決断を排除することが大事だと思います。私には、朝起きてどれを着ようと迷うほどの服がありません。選択肢を狭め、思考を狭めることで、人生をシンプルにし、別のことにエネルギーを集中できるのです。


この方法は、バラク・オバマ前大統領にもシェアされています。たくさんの決断をしなければならない時間帯や日を認識し、その脳のパワーは、知的な不快感を乗り越える能力に影響を及ぼすことを実感してください。朝一番に、最も知的不快感が強い作業を決まった時間やるのがオススメです。さもないと、メールや電話に決断を求められる時間帯が来てしまいますから。


心の「なぜ」にアクセスし、慢心しない


Kobe Byant氏のNBA引退をきっかけに、彼の仕事哲学や激しさがにわかに注目を集めています。彼は、午前4時から自主トレーニングと800本のシューティングを終えてから、スケジュールされたトレーニングに取り掛かっていたそう。彼がそこまでしていた理由は何でしょうか? 常にトップにいたければ、どんなに優秀でもあぐらをかいていてはいけないことを知っていたからです。ですから、常に自問してください。あなたはなぜ、その仕事をするのですか? その仕事は、どのように意味をもたらし、あなたの目的と合致していますか? 知的な不快感を乗り越えず、楽なことばかりしていたら、あなたの公私にどんな問題が起こりますか? ハードなことに挑戦し続けないと、あなたは何を逃してしまいますか?

タスクやプロジェクトに最大限の努力を投じるまで、やめることを自分に許してはいけません。



時間とエネルギーをシフトすることを選んだら、自分に新たな約束をしたことになります。知的な不快感を経験し、必ずそれに立ち向かうという約束です。そう、常に課題は山積みでしょう。圧倒されてしまうかもしれません。でも、その知的な不快感を乗り越えることで、知性が解放され、成長が可能になるのです。それは、自信にもつながります。あなたの革新的なアイデアを実現できる可能性が高まるでしょう。それはとてもワクワクすることであり、あなた自身の学びにつながるはずです。


How to Fight Through Intellectual Discomfort | 99u

Carson Tate(訳:堀込泰三)
Photo by Shutterstock.

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