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シェアをやめない|しないから幸せ「南の島の幸福論」vol.5

  • 2020年2月18日
  • ライフハッカー[日本版]

「南の島の幸福論」vol.5は「所有」について。サモアの酋長ツイアビさんはこう考えています。

「私の頭は私の物」は正解だが、「私の家の前に生えている椰子の木は私の物」は不正解だと。その椰子の木は誰の物でもないと。

シェアとは何か?

ここ数年、日本でも注目されている「シェア」について、ツイアビさんの金言をみていきましょう。

私たちの言葉に「ラウ」というのがある。

「私の」という意味であり、同様に「おまえの」という意味でもある。二つはほとんど一つであり、同じ意味である。

だがパパラギ(ヨーロッパ人)の言葉には、この「私の」と「おまえの」以上に違いの大きな言葉はほとんどない。

「私の」とは、ただ私ひとり、私だけのものである。

「おまえの」とは、ただおまえひとり、おまえだけのものである。それゆえパパラギは、自分の小屋の範囲にあるものを、すべておれのものだと言う。

「パパラギ」より引用

私が住む南国フィジーでも「俺のものはみんなのもの、お前のものもみんなのもの」という「共有」感覚が非常に強いです。

日本も、高度経済成長期以前は共有する習慣が普通でした。ご近所間で米や醤油などを貸し借りしたり、子どもを預け合ったり、高齢者の介護を助け合ったりと。

フィジーに来る日本人からよく「なぜフィジー人はいろいろとシェアするの?」と質問されます。しかし、日本も昔はシェア社会だったことを考えると、逆の質問が浮かんできます。

「なぜ日本人はシェアをやめたのか?」

理由はいろいろあるとは思いますが、原因の1つは「シェアの必要性がなくなったから」でしょう。

必要なモノは自前で揃えることができる。そんな豊かさを手に入れた結果、シェア率が下がり、人間関係も希薄になっていきました。

人間関係から、悩みも幸せも生まれる

アドラーによれば「人間の悩みはすべて対人関係の悩み」。

では、人間関係が希薄になれば、悩みが減って、幸せになれるのだろうか。

答えは否。

幸福学の研究によれば、幸福度の高い上位10%の人たちの共通点はたったひとつ。「社会との結びつきが強いこと」です。悩みだけでなく幸せもまた、人間関係の中にあります。

アドラーはいいます。

「共同体の中で生きていく上で最大の不幸は、自分がまわりに必要とされていないと感じる孤独感であり、最大の幸せは、人に必要とされること」

誰かに何かをシェアすることで、「自分は役に立っている」と感じることができます。人に貢献する行為は人間関係を良好にします。

シェアで人間関係は豊かになる

つまり、シェアは人を幸せにし、それを支える人間関係を豊かにしてくれます。

神はパパラギの「おれのもの」を打ち壊すために、湿気と熱を送られた。パパラギのものは、やがて古び、ボロボロになり、腐っていく。神は、彼らの財宝に襲いかからせるために、火に大きな力を与えた。そして嵐にも。だが、なかでも重く神が定めたもうたのは、パパラギの心の中に恐怖を植えつけたことである。昼間に集めてきたものを夜の間に持っていかれないよう、覚めていなければならないから。

「パパラギ」より引用

温暖化や異常気象は「シェア」をしない私たちに対する神の怒りなのかもしれません。

「集めてきたもの」を失う不安や恐怖はもちろんあります。

でも、フィジー人はシェアをやめません。

モノを独り占めして得る幸せよりも、みんなと共有して得る幸せのほうが、心が満たされるのを知っているから。

私は息子を「ラウ」と名付けました。

ツイアビさんの言葉にあったように、ラウは「mine」と「yours」を合わせた言葉。「私のもの」と「あなたのもの」の垣根を取っ払う「シェア」はこれからの時代、地球にとっての必須スキルだと信じています。

次回は、<防御力を高めない>をテーマに『南の島の幸福論』vol.6をお届けします。

防御力を上げるために鎧(よろい)をまとってしまい、その重みで日常生活に疲れていませんか。鎧の一部を脱いでみることはできないのかを考えたいと思います。お楽しみに!

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永崎 裕麻(ながさき・ゆうま)|Facebook

「旅・教育・自由・幸せ」を人生のキーワードとして生きる旅幸家。2年2カ月間の世界一周後、世界幸福度ランキング1位(2016/2017)のフィジー共和国へ2007年から移住し、現在13年目。ライフスタイルをアップデートする英語学校カラーズ校長。

100カ国を旅し、14カ国で留学した経験を活かし、内閣府国際交流事業「世界青年の船」「東南アジア青年の船」に日本ナショナル・リーダー/教育ファシリテーターとして参画。ライター、教育企画の立案、「幸せに気づくコーチング」、「40歳定年」などの活動もしており、フィジーと日本を行き来するデュアル・ライフを実践。2019年からは「幸福先進国」であるデンマークも加えたトリプル・ライフに挑戦中。大阪府生まれ。神戸大学経営学部卒業。二児の父。

著書に「世界でいちばん幸せな国フィジーの世界でいちばん非常識な幸福論」(いろは出版)。

Photo: 永崎裕麻

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