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手書きが創造性を高める科学的な理由

  • 2018年11月9日
  • ライフハッカー[日本版]

ますます発達する現代のテクノロジーの世界では、手書きをしなくなる人が増えています。

ここ数年のニュースをザッと見ても、学校で手書きに費やした時間の減少について驚く(ときに嘆く)、様々な出版物が見られます。

キーボードを叩けないこともありますが、なぜ手書きをしなくなると心配するのでしょうか?

おそらく、「手書きが創造性と結びついているから」というのもひとつの理由でしょう。

手書きと脳

手書きについて調べたfMRI(MRIを利用して脳や脊髄の活動に関連した血流動態反応を視覚化する方法のひとつ)の研究で、とても興味深い結果があります。

ウォール・ストリート・ジャーナル紙で引用されていたその研究では、手書きの教育を受けてきた子どもは、ただ文字を見ていただけの子どもよりも、神経活動が“大人のように”はるかに発達していることが判明しました。

2012年の研究では、手書きのトレーニングは、読む能力の発達に使われた脳の領域を補強することが証明されました。印刷されたものではなく、手で書かれた文字を読むだけでも、脳の様々な領域を使用します。しかし、手書きが効果を与えるのは脳の活性化だけではありません。

ウォール・ストリート・ジャーナル紙の別の記事では、授業中に入力するのではなく、手書きでノートを取った生徒を対象としたいくつかの研究について報告していました。

入力してノートを取った生徒は、1分間に書き留める文字数が多く、授業の直後は内容をよりよく思い出せていました。

しかし、手書きでノートを取った生徒は、書き留める量は少なかったにもかかわらず、1週間後でも内容をよく思い出し、授業で示された概念についてもよりよく把握していました。

したがって、fMRIを活性化するだけでなく、手書きをすることで、内容をよりよく記憶に落とし込めているようです。

手書きと創造性の関連性

手書きが物事を記憶するのにいいことはわかりましたが、創造的なことに関してはどうでしょう?

神経学的な面では、この2つを結びつける証拠があります。創造的な思考は様々なアイデアを結び付けなければなりません。手書きは脳の複数の領域をある程度活性化しますが、入力では活性化しません。

創造性というのは曖昧な概念なので、手書きがどれくらい創造性に影響を与えるのかを測ったり、定量化したりするのは難しいです。

しかし、手書きが創造的な思考に重要な影響を与えうると、信じるに足る多くの理由があります。たとえば、手書きを瞑想や脳に独自の影響を与える活動に使う人は多く、何世紀にもわたって創造的なアイデアを生み出すために使われてきました。

具現化された認知の分野では、心と体の関係に注目しており、この分野の学者が注目しているうちのひとつが創造性です。たとえば、ある研究でなめらかな腕の動きが、創造性を高めることがわかりました(“流体的思考”と表現されています)。

手書きのなめらかな動きに似たような効果がある可能性は、間違いなくあります。

また、手書きをするスピードについて(もしくはスピードがないことについて)語っているものもあります。ほとんどの人は(特に何かしらのトレーニングや練習をしてきた人は)入力するほうが非常に速いです。

しかし、ひとつのキーを押すのではなく何度も筆を運び、ひとつの文字や単語により時間を費やすことで、脳にアイデアを記録する(記憶する)機会をより多く与えます。創造的なアイデアが頭に浮かぶのには時間がかかるので、数秒でも余計に時間を与えることで大きな違いが生まれます。

これは推測が多く含まれていますが、懐疑的な人を揺るがす歴史的な証拠もあります。たとえば、多くの有名な作家のが小説(少なくともかなりの部分)を手で書いてきました。ウラジミール・ナボコフは3×5インチの索引カードに鉛筆で書いていました。

トルーマン・カポーティも鉛筆でしか書かなかったと言われています。ニール・ゲイマン、スティーブン・キング、ディラン・トマス、ジョン・スタインベック、J・K・ローリングもみんな、手で書いていたと言われています。

もちろん生まれつきとても才能がある人たちですが、そこから学ぶべきものがあるように思えます。

手書きとクリエイティブなスキル

手書きによる恩恵は、頭の中の創造的なプロセスだけではありません。すぐに使える実用的な面もたくさんあります。自分は視覚的なアーティストだと思っていてもいなくても、頭の中のアイデアを紙の上に表現する精密な機械を持つことにはメリットがあります。

アイデアを絵に変換することは(どんなラフスケッチでも)問題解決のプロセスに取りかかる素晴らしい方法です。たとえば、あなたがライターでも、記事や本の構成を視覚的なプレゼンテーションにすると、執筆過程で大きな助けになります。

この手のスケッチは手書きに直接関係はありませんが、ペンや鉛筆を使って作業をすればするほど、そうすることが苦ではなくなります。

手書きの練習を通して手や手首の筋肉をうまくコントロールできるようになると、手の動きがより安定します。

それは、カリグラフィーや写真や絵画など、あらゆるクリエイティブな仕事で役に立ちます。たとえ読めなくても、誰もが手書きのメモや献辞、作品の署名に感銘を受けるのです。

手書きを絶やさない

手書きは廃れかけているように思えますし、そのままにしておきたくもなりますが、クリエイティブな仕事をする人間としては、手で書くことをやめてはならないと思います。

上質な紙に万年筆で書くのが間違いなく一番いいですが、付箋紙にサッとメモを書くだけでも脳にはいいのです。

手書きで小説を執筆する必要はありません。ただ、手で書くことを日常生活の一部にしましょう。

日記付けたり、ブレインストーミングをしたり、メモを取ったりするのは、どれも手書きでするのにいいです。

手で書いた文字がひどくでも気にしないでください。ただ手で書くことを始めましょう。

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Image: fizkes/Shutterstock.com

Source: The Wall Street Journal(1, 2), NCBI, Stanford University

Original Article: How Handwriting Improves Your Creative Skills by MakeUseOf

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