サイト内
ウェブ

字がうまいだけでも出世できる? 上司が陥りやすい「評価エラー」とは

  • 2018年6月29日
  • ライフハッカー[日本版]

『社内評価の強化書: 上司の“評価エラー”を逆手に取る出世の法則』(森中謙介著、三笠書房)のテーマは、「上司の『評価エラー』を逆手にとって、社内評価を上げる」こと。でも、上司の「評価エラー」とはどういうものなのでしょうか?

これは人事・マネジメントの世界で、管理職たるものこういう評価をしてはいけない、つまり「やってはいけない評価法」として取り上げられるものです。 (「はじめに」より)

たとえば、「自分と出身地が同じ部下をひいき目に見てしまう」「自分を慕ってくる部下には甘い評価をしてしまう」などは典型的な「評価エラー」。逆に、そうでない部下には、仕事の成績がよくても必要以上に厳しい評価を下したりするわけです。

どれだけ「そういう評価の仕方はいけませんよ」と指導されても、人間は感情の動物なので、こうした「評価エラー」をなくすことは困難。だとすれば部下にとって、上司の「評価エラー」を知ることは、社内評価を上げるうえで必要不可欠。

そこで本書では、上司がよく陥りがちな、次の5つの「評価エラー」を取り上げているわけです。

①ハロー効果――なぜ、実力以上に評価される人がいるのか?

②遠近誤差ーー上司は、終わりよければすべてよしで判断を下す傾向がある

③寛大化傾向ーー上司にかわいがられる部下、嫌われる部下の違いとは?

④対比誤差――どんな会社にも「隠れた評価基準」というものが存在する

⑤論理誤差――職場で誤解を受けないために注意すべきことはなにか?

(「はじめに」より)

これらを知り、自分の評価が下がらないように注意する、あるいは自分の評価が上がるように工夫することが大切だということ。きょうは、「ハロー効果(肩書きや学歴など、あるひとつの特徴がその人の評価に影響を与えてしまうこと)」に着目した第1章「『ハロー効果』の法則 なぜ、あの人は“実力以上”に評価されるのか?」を見てみましょう。

「字がうまい」だけでも、出世の突破口になる

達筆な字を見ると、それを書いた人のことをよく知らなくても「仕事ができそう」という印象を持ったりするもの。逆に字が下手だったり雑だったりすると、それだけで「仕事ができなさそう」と決めつけてしまったりもします。

そんなことからもわかるとおり、「字の上手・下手」は「ハロー効果」を生み出す典型的なポイントとして挙げることが可能。字が上手ならプラスのハロー効果が生まれるものの、下手だとマイナスのハロー効果が生まれてしまうということ。

しかも最近は肉筆で文書のやり取りをすることが少なくなってきているので、余計に「字の上手・下手」が目立つというのです。そこで著者は、字に自信のない人に提案をしています。

字が下手だという自覚のある人は、すぐに通信教育のボールペン字講座に申し込むことをおすすめします。ある程度練習すれば、必ず人並み以上にはなります。MBA(経営学修士)を取得するために高い学費を払って学校に通うよりずっと手っ取り早く高評価につなげることができます。(33ページより)

にわかには信じがたい話ですが、それこそが「ハロー効果」の特徴だというのです。もちろんMBAを持っていて悪いはずはありませんが、特に中小企業においては、老欲のわりにそれは報われないもの。むしろ上司から「頭でっかち」などと思われる危険性も。

著者の所属する新経営サービスでは「経営者大学」という研修プログラムを提供しており、中小企業の経営者、およびその後継者、幹部1000人以上が受講しているそうですが、そのうちの大半は「字の上手な人」を高く評価しているのだとか。受講者に直接話を聞くと、「最近の若い人できれいな字を書ける人は少ないから、きれいな字が書けるだけで基礎ができているという印象を持つ」という評価が多いのだそうです。

字が上手なことと仕事の能力が優れていることに科学的な因果関係はないものの、字が上手な人はそれだけで評価を高め、逆に下手な人はそれだけで評価を落としやすい傾向が厳然としてあるということ。それこそが、「ハロー効果」の特徴だというわけです。(32ページより)

「ホウ→レン→ソウ」ではなく「ソウ→レン→ホウ」

若いビジネスパーソンは特に、「ホウ・レン・ソウ(報告・連絡・相談)が大切だ」と日常的に聞かされているはず。ただし「報・連・相」は、組織のなかでは「できてあたり前」のことなので、普通にできているだけではさほど評価されるものでもないでしょう。

しかし「報・連・相」には確実に、一段上のレベルが存在するのだそうです。そしてそれを実践できれば、確実に社内評価を高めることが可能だというのです。

もちろん、一段上のレベルの「報・連・相」を実践することは簡単ではないかもしれません。しかし専門知識や専門技術が必要なわけではなく、基本的な仕事の組み合わせでできるもの。そのため訓練次第で確実に上達し、周囲に差をつけることができるというのです。

それを実践するためのポイントは、次の2つ。

1.順番は「相→連→報(ソウ→レン→ホウ)」

一般的な「報告→連絡→相談」ではなく、「相談→連絡→報告」という順番のほうがいいと著者はいいます。その理由は、通常のホウ・レン・ソウだと起こる危険性があるトラブルを、未然に防ぐことができるから。

「ソウ→レン→ホウ」の順番であれば、たとえばトラブルが起こったとしても、「自分ではどうすることもできなくなってからようやく上司に報告をして、相談する」といったケースが少なくなるということ。

トラブルが起きないよう事前に上司によく相談し、アドバイスを受けながら途中経過を連絡して物事を進め、最後にも結果を報告するーー。そうした流れはリスク管理の面からも理にかなっており、上司に安心感と信頼感を与えることができるというわけです。

なお、最初に「相談」を持ってくるほうがいい理由は他にもあるそうです。

①上司が進捗状況を把握できる

②問題が起きてもすぐ手が打てる

③上司が正しい判断を下せる

④上司の仕事の方針からズレない

⑤「伝えた」が「伝わった」になる

(60ページより)

「あまり相談ばかりすると上司にうっとうしく思われるのではないか」と、心配する必要はなし。部下の仕事を管理する立場にしてみれば、そのほうが圧倒的に安心できるからです。それどころか、そういう部下を「こいつはコミュニケーション力がある。安心して仕事を任せることができる」と判断することのほうが多いだろうと著者。

2.順番は「打・根(ダ・ネ)を加える」

「報・連・相」に「打・根(ダ・ネ)」を加える方法も。

・「打」→「打ち合わせ」

・「根」→「根回し」

(61ページより)

ちなみに著者は、経営コンサルティング会社の船井総研の元会長である小山政彦氏の著書『9割の会社は人材育成で決まる!』(KADOKAWA/中経出版)を通じてこの考え方を知ったのだそうです。引用してみましょう。

「私は、日本においては『ホウレンソウダネ』が大事ではないかと思っています。(中略)ホウレンソウダネは、最後の『ネ』から逆に一連のプロセスが始まります。まずは上司や関係者に『根回し』をして了解を取りつけ、実行プランを『打ち合わせ』し、必要な人材や予算などを『相談』し、実行途中で『連絡』し、終了したら結果を『報告』するわけです。この一連のプロセスを滞りなく行うことは、チームワークを高める一手となるのです」(61ページより)

キーマンといえる人を含めた重要関係者への「ダ・ネ」を先んじて行なっておくことが重要だという考え方。

若い社員のなかには、「ホウ・レン・ソウ」や「ダ・ネ」など、人との調整ばかりしていては面倒だし、仕事がちっとも進まないと思う方もいるかもしれません。しかし「ホウ・レン・ソウ」や「ダネ」は、「仕事の体幹」のようなものだと著者は記しています。

若いうちから鍛えておかないと、あとあと苦労することになり、逆に若いうちに鍛えてしまえば、そのあとは苦労することなく自然と行えるようになるということ。その証拠に社長や経営幹部など、上位者ほど社内外における調整をきめ細かく、かつ自然にやっているものだといいます。(58ページより)

株式会社新経営サービス人事戦略研究所シニアコンサルタントという立場にいる著者は、若手の出世に詳しい人事のプロフェッショナル。そうした立場に基づいて書かれた本書は、会社組織のなかで評価を高めたい人にとって大きく役立つはず。参考にして見てはいかがでしょうか?

Photo: 印南敦史

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。

掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。
copyright 2018 (C) mediagene, Inc. All Rights Reserved.