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予算がなくても問題なし? 小さなお店や会社のための「結果を出せる」販促テクニック

  • 2017年12月8日
  • ライフハッカー[日本版]

『小さなお店・会社が一人勝ちできるお金をかけない販促の反則技33 すぐに結果が出る集客&売上アップ術』(石橋拓也著、現代書林)の著者は、15年以上にわたり、紙媒体からウェブまでの販促活動の企画・実施、デザインツールの制作ディレクションを監修しているという人物。

そのバックグラウンドにあるのは、広告会社でフリーペーパーの営業をしていたころの経験だといいます。なかなか広告効果が出ないなか、「なけなしのお金で、なんとかお店に人を集めたいと考えている地元の小さなお店のために、できることがあるはず」だとの想いから、販促とマーケティングを猛勉強し、それを実行に移したというのです。

実践してきた販促手法の中には、確実にターゲットだけをとらえ、それをみた人の心に呼びかけ、驚くべき反響を生んだものが数多くあります。

本書では、それらをいくつかのグループに分類し、紹介することで、同じように集客に苦しんでいるすべての企業・店舗のお役に立てればと考えています。(「はじめに」より)

特に重きが置かれているのは、大きな予算を持たない中小企業・店舗の方にこそ活用可能なアイデア。つまり、予算がなくても効果を出せる方法が明かされているということです。そんな本書から、きょうは「Part1 新規のお客さまがガンガン集まる販促技」に焦点を当ててみることにしましょう。

自動的にクチコミを起こす 食べきれないお土産キャンペーン

販促を行ううえで重要なのは、人間の心理や欲求を理解すること。そのため心理学や行動経済学が、マーケティングの役に立ち、「ウラ技」を考えるヒントになるといいます。そして、ここで著者が強調しているのが、人間の三大欲求のひとつである「食欲」。日本人は「食」に対するこだわりが強いだけに、販促においても「食」を絡めればハズレがないというのです。

そして飲食業の方であれば、最も簡単な集客方法は「ふるまい」、つまり食料品そのものを無料配布することだと断言しています。もし広告費に5万円かけられるのであれば、5万円分の商品を無料で配ることもできるはずだという発想。それ自体を広告費、すなわち販促品だと思えばいいというわけです。

それに実際のところ、5万円分の食料品の原価は1〜2万円程度でしょうから、コストで考えれば「ふるまい」のほうがお金はかからないということになるはず。

とはいっても、闇雲に配るだけでは売上につながりませんし、お客さまは配布物を受け取ったらすぐに離れてしまうでしょう。それどころか、商品自体の価値を下げてしまうことにもなりかねません。そのため「ふるまい」は、本当にふるまいたい場面でのみ行うようにするべき。イベントの集客を行いたいとか、周年記念などで地域の方々に純粋な感謝を示したい場合などがそれにあたるそうです。

なお無料でバラまくことに抵抗がある場合は、「ふるまい」ではなく「試食」も効果的。新しいメニューができた、季節メニューが登場した、お店自体な新規オープンするなど、なんらかの理由をつけて、日時限定で試食イベントを行うわけです。

そして来店したお客様に対しては、試食の内容やお店のことなどについて、簡単なアンケートを依頼。そしてアンケートに答えてくれたお客さまにはお礼として「お土産」を渡すことも忘れずに。

お土産はもちろん、持ち帰りできるものにしなければなりませんが、いくつかポイントがあります。「なるべく個数を多くすること」、そして「絶対に一人で食べきれないであろう量にすること」です。

お客さまにとってあなたの店は、「無料で食事を提供してくれて、ちょっとしたアンケートに答えただけで多すぎるほどのお土産をくれたお店」になります。

もしその食事がお客さまの舌を満足させるものであったならば、その評価はすこぶる良いものになるでしょう。お客さまの予想を超える「ワンダーなおもてなし」をすることで、お客さまはあなたのお店のファンになります。 (34ページより)

ちなみに、「食べきれない量のお土産」にも仕掛けがあるのだといいます。それが食べきれない量であることに気づいたお客さまが、「おすそ分け」を行うことを想定しているというのです。

飲食業ではない方にとっては、「ふるまい」は純粋な集客手段であり、その効果は絶大だといいます。大鍋での温かい汁物、焼きそばなど定番の焼き物など食事の無料提供は、お客さまを呼び、イベントを活性化させるということ。自動車販売店や住宅メーカーなど、ハードルの高い商品の販促には、イベントのなかに「ふるまい」を仕込んでおくといいそうです。(32ページより)

ちょっと先の将来に大きな利益が得られる「ワンコイン・フロントエンド」

スーパーやコンビニなど、毎日のように使うサービスがある一方、「一生のうちに数回使えば多いほう」という業態もあります。結婚式場や葬儀会社、リフォーム会社などがそれにあたりますが、水まわりの修理や白アリ駆除、探偵事務所などの「困ったときに助けてほしいサービスなども広告の難しい業態。しかも利用頻度の少ない業態は、単価が高いのも特徴です。

だからこそ、当たりが少ないとしても、たまたま当たりを引いたときの金額が大きいだけに、広告主は少ない確率に賭けて広告を出し続けているわけです。しかし、もっと効率的な方法があると著者はいいます。それは、ニーズが生まれる前の予備軍、いわゆる潜在顧客をつかまえておく方法。

ここでは、車の整備を行う、ある会社の事例が紹介されています。おもに板金を扱い、事故などによって傷ついた車の修理や、消耗によるパーツの交換、2年に一度の車検などを業務としている会社です。

板金というのは、前述した「困ったときに助けてほしいサービス」に該当します。(中略)消費者にとって板金というサービスは、普段はまったく必要がないのです。(中略)そこで提案したのが、ワンコインでできるサービスを売ろう、というものでした。ガラスコーティングや洗車など、日常的に行うメンテナンスをワンコイン=500円で提供するものです。(中略)洗車は、車のメンテナンスの中で最も頻繁に行われるものです。そして、機械を使用せずにスタッフが手で洗い、拭き上げまでしっかりとしてくれる「手洗い」は通常、数千円程度するサービスです。それを500円で実施することは、知らない板金屋さんに車を預けるという不安を払拭するだけのインパクトがあるものに思えました。(38ページより)

この試みは大成功を収め、スタッフたちはたくさんのオーナーと知り合いになれたといいます。しかも同時に点検を行うことで、消耗している箇所や交換すべきパーツの提案を行って売り上げを伸ばしていくことにもなったのだとか。そればかりか、車検の受注につなげることもできたのだそうです。

車検や板金は、使っても数年に1回という程度のサービスですが、「洗車をするための場所」として認識してもらえれば、来店頻度はかなり高くなります。そして何度も会うことで「顔なじみ」となれば、信頼感も上がっていくことでしょう。著者によればこれは、心理学でいうところの「単純接触効果」。

頻度の高いサービスをフロントエンド(目玉商品)として集客し、単純接触効果によって信頼を勝ち取り、いざというときに依頼されるべきポジションを確立するということ。それは遠回りに見えるかもしれませんが、野生の果実を探すよりも自分で栽培したほうがいいのと同じで、きわめて合理的な方法だと著者は主張しています。

しかし、そうであるにもかかわらず、実施している店舗が意外に少ないのも事実。もしかしたらそれは、ワンコインのサービスの利益率の低さが、「骨折り損のくたびれ儲け」に見えるからなのかもしれません。とはいえ、損して得をとる覚悟を持った方だけが、収穫の季節に果実を得ることができるのだということです。(36ページより)

逃げられない見込み客を攻める「プレイランド・サンプリング」

「結婚して小さな子どもがいる、20代後半〜30代の家庭」は、企業からすれば人気の世代。結婚、出産、子育て、マイホームやマイカーの購入など大きなライフイベントが続くため、格好のターゲットだというわけです。

彼らにアプローチする場合、サイトやランディングページを制作し、ウェブで勝負するという手もありますが、「ファスト販促」というべき即効性のあるプロモーションとして、著者は「プレイランド・サンプリング」を勧めています。

プレイランドとは、屋内型の子ども向け遊び場のこと。そこで子どもを遊ばせる親の多くは、「動けないうえに、することがない」という状態にあるもの。そのため子どもの様子を気にしつつ、所在なげにスマホをいじっていたりするわけですが、彼らのその時間を利用して、じっくりアプローチしようという手段。プレイランドの運営会社のなかには、敷地内で広告活動を行ってもよいという企業があるそうなのです。

プレイランドでできるのは、サンプルの配布やアンケート、その謝礼として金券や割引券を渡すなどの活動です。

ふだんは広告的な営業を嫌う人であっても、閉鎖空間で声を掛けられていること(逃げられない、断ってしまうとその後が気まずい)、どう見ても暇そうな自分を見せてしまっていること(忙しいという断り文句が使えない)、何より時間を持て余している、などの理由から、通常の販促よりも簡単にアンケートに答えてくれたり、広告の説明を聞いてくれたりといった反応が高くなります。(42ページより)

街中でファミリーに広告を渡そうとしても、話を聞いてくれる確率はたかが知れています。しかし、しっかり話を聞いてくれるというだけで、相当な広告効果だといえるわけです。(40ページより)

著者自身が認めているように、本書のターゲットは予算の少ない中小企業や店舗。つまり規模は決して大きくないわけですが、そのぶん販促に関しての基本的なポイントをしっかり抑えているように感じます。いいかえれば、著者自身の経験に基づいているからこそ、地に足がついた印象があるということ。自社の販促を「なんとかしたい」と思っている人にとっては、きっと参考になることでしょう。

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