人気耳鼻科医が教える鼻&のどの正しい加湿方法を実践! / Ushico/PIXTA (ピクスタ)
乾燥してくると増えるのが、感染症。風邪予防には加湿が欠かせません。適切な加湿方法で、鼻・のどの乾燥を防ぎましょう。風邪予防だけでなく、ひいてしまった風邪を悪化させない効果も期待できますよ。
今回は、時間帯別おすすめの鼻とのどの加湿方法をお届けします。
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足立光朗先生:足立耳鼻咽喉科理事長。三重大学病院勤務、四日市病院医長などを経て2010年より現職。病気の予防法や健康術の情報をYouTubeで積極的に発信中。
▶︎教えてくれたのは
足立光朗先生
足立耳鼻咽喉科理事長。三重大学病院勤務、四日市病院医長などを経て2010年より現職。病気の予防法や健康術の情報をYouTubeで積極的に発信中。
鼻・のどが乾燥すると風邪をひきやすく悪化しやすい
風邪予防には、鼻・のどの加湿も大事です。
「鼻・のどには粘液があり、粘液がウイルスや細菌を絡め取ります。しかし、乾燥すると粘液の量が減少。お城に例えるなら堀がカラカラで、敵が進入し放題の状態です。また、鼻・のどの線毛細胞には極細の突起 (線毛) がびっしりあって、入り込んだウイルスを押し出していますが、乾燥すると線毛の動きも悪化。ウイルスを排除しきれません」
鼻・のどの加湿には、風邪予防だけでなく、ひいてしまった風邪を悪化させない効果も。
「風邪はウイルス感染が原因ですが、鼻・のどのバリア機能が弱ると常在菌も悪さをするようになり、細菌感染症を合併。症状が悪化します。軽くすませるためにも加湿が大切です」
潤っているのどと乾燥しているのどの違いとは? / イラスト/一二三かおり
【潤っているのど】
粘液が充分にあると、ウイルスは細胞内に進入しにくい。また、線毛によって粘液が流れ、せきやたんとともに体外へ排出されやすくなる。
【乾燥しているのど】
乾燥すると粘液量が減少。ウイルスが入りやすくなる。また、線毛の動きが悪くなってウイルスを押し流せなくなるため、感染率が高まる。
【時間帯別】おすすめ鼻・のどの加湿習慣をチェック
■【6:30】起きたらまずコップ1杯の水を飲む
起きたらまずコップ1杯の水を飲む / イラスト/一二三かおり
体を乾燥させないために、水分補給。一気に飲むと吸収しきれないので、ちょこちょこ飲みましょう。寝ている間に汗をかいているので、寝起きの1杯は必須!
■【9:00】通勤のお供にあめやガムを!
通勤のお供にはあめやガムを! / イラスト/一二三かおり
のどを乾燥から守るには、唾液をしっかり出すことがポイント。あめをなめたりガムをかんだりすると、唾液の分泌が誘発されます。人混みでの感染予防に◎!
■【12:00】食事はたんぱく質をしっかりチャージ
カオマンガイがおすすめ!たんぱく質の摂取は鼻・のどのバリア機能アップにも◎ / イラスト/一二三かおり
鼻・のどの粘液のバリア機能を高めるには水分補給だけでなく、たんぱく質の摂取も大切です。ランチも肉や魚、豆類など、たんぱく質をとれるメニューをチョイス。
■【18:00】帰宅したらうがい&鼻うがいを
帰宅したらうがい&鼻うがいを / イラスト/一二三かおり
鼻詰まりなどで口呼吸になると、空気が鼻のフィルターを通らず直接のどに触れるため、感染のリスクが高まります。帰宅時の習慣に鼻うがいもプラス!
■【20:00】お風呂は湯船につかり血液を巡らせる
お風呂は湯船につかり血液を巡らせる / イラスト/一二三かおり
冷えると体の水分の巡りが悪くなり、鼻・のどの乾燥につながります。湯船につかって体を温めましょう。湯気を大きく吸い込めば、鼻・のどもしっとり潤います。
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部屋の加湿には気をつけていても、鼻やのどの加湿にはそこまで気を配っていないという人も多いのでは? シーンごとに心がけて、風邪を防ぎましょう!
イラスト/一二三かおり 編集協力/及川愛子
文/さいとうあずみ