なんにもないキッチン / shimi / PIXTA(ピクスタ)
※記事上の画像はイメージ画像です。
本当に必要だと思うものしか持たないミニマリストのゆるりまいさん。モノを収納の外に置いておくのも嫌なので、家はまるで引っ越したばかりのようなガラーンとした空間になっているそう。とにかく掃除がラクだし、ペットも安全に暮らせるしとメリットも多いのですが、一緒に住む家族とはどう折り合いをつけているのでしょうか。
片付けが苦手な母と夫も使うリビングやキッチンでのルールは?個人の持ち物の管理は?など、ゆるりさん流の「なんにもない部屋の暮らしかた」をご紹介します。
※本記事はゆるりまい著の書籍『なんにもない部屋の暮らしかた』から一部抜粋・編集しました。
【空間の作り方】最初は家族の負担を最小限に。「なんにもない」は時間をかけて慣れるもの
汚家時代の台所(「キッチン」なんて言葉は似合わない)は、家の北側に位置するひっそりと暗い場所でした。当然、ここも物に溢れていたので、非常に狭く2人立つのがやっと。氷で冷やす昔の冷蔵庫なんてものもあったっけ。そんな台所なので、私は狭さを理由にろくに手伝いもせず、母はひとり黙々と家族の食事を作り続けていました。寂しい思いをさせ続けて申し訳なかった…。そこで新しい家では、寂しくないキッチンにしようと、心に決めたのです。
氷で冷やす冷蔵庫 / (C)ゆるりまい/KADOKAWA
そうしてできた今の家の「キッチン」は、家の中心に位置し、当然余計な物も置きません。家作りの段階で、私は「キッチン家電は全てしまいたい!」と宣言し、パントリーは、家電を入れても大丈夫な造りにしてもらいました。
その時は、母も夫も「ふーん」といった反応でしたが、いざ新居に住みはじめると、私が本当に何もかもしまうので「そこまでしなくても…」と、唖然。当然「出しっぱなしのほうが楽なのに!」と、反発もありましたが、
①使ったら出しっぱなしでもOK、代わりに私が片付ける(家族にとっては使う時に取り出す不便さだけにする)、
②家族が取り出しやすい&使いやすいように収納の場所を工夫する(動線を考えて、背の高さに合わせて取り出しやすくする)、この2つを約束しました。
家族の手間を半減させることで「キッチンのなんにもない化」を受け入れてもらったのです。今では、家族もなんにもない状態が当たり前になって、自然と「使ったらしまう」が身に付いてきました。最初に何もかもしまうよう強要しなかったこと、物が少ないとしまう場所が明確で、片付け=面倒臭いというイメージが払拭されたことが、成功の鍵だったのだと思います。
なんにもないキッチンのお陰で、夫婦も円満 / (C)ゆるりまい/KADOKAWA
物に溢れたキッチンだったら、隣で晩酌などされたら「邪魔だからどいて!」なんて言っていたかも。なんにもないキッチンのお陰で、夫婦も円満です。
著=ゆるりまい/『なんにもない部屋の暮らしかた』