ある日突然、会社に行けなくなって休職してしまった夫・川田俊。夫のかわりに働いて家計を支える妻・沙月。出口の見えない状況をなんとかしたいと思った妻の沙月は、休日に立ち寄った海で引っ越しを夫に提案します。都心から少し離れた自然豊かな葉山の町で、『主夫』になった夫と、『大黒柱』を担う妻の生活が始まりました……。
神奈川県葉山町在住の漫画家・とげとげ。さんが、ご自身の体験や周囲の方々への取材をもとに、現代を生きる夫婦や家族の在り方を丁寧に描く『夫ですが会社辞めました』。今回は岡田家のエピソードをお届けします。
岡田家のパパはパート勤務で家事育児をメインで担当、大黒柱のママは介護士として働いています。この春から小学校に通い始めたアオイと、保育園に通うソラ・ハナの5人家族です。
小学校で運動会の練習がはじまった頃から、アオイは朝になるとお腹が痛くなってしまい、学校を休みがちに。パパがパート勤務の日は、アオイは学校のかわりに川田家の裏のおばあちゃんの家に行くようになりました。
おばあちゃんの家にたずねてきたのは近所のおじいちゃん。最初はその大きな声に驚いて怖がっていたアオイでしたが、おばあちゃんから「耳が遠いから大きい声が必要なのよ」と聞いて納得したような表情を浮かべました。
一方、母親の桜は職場で同僚に娘の不登校のことをこぼします。同僚は、自分の息子も不登校でフリースクールに行っていること、大きな音に敏感であることを話します。それを聞いた桜は、アオイの不登校の理由に思い至るのでした…。
アオイの不登校の原因が運動会の練習にあることに気づいた岡田家の両親。アオイ自身もまた、おじいちゃんの声が大きい理由を聞いて、思うところがあったようです。子どもをめぐる困りごとを解決するには、日頃から子どもの様子やその変化をよく見守っておくことが大切ですね。
著=とげとげ。