「在宅ワークの副業を始めて収入を上げたい」「これからフリーランスライターとしてがんばるぞ!」
そんなあなたが最初に用意すべきものはなんでしょうか?
ハイスペックパソコンや名刺を思い浮かべる方も多いのでは?
たしかにこうしたものは大切ですが、他にも必要なものはあります。
「仕事へ応募する際、ポートフォリオを用意しておくと採用率が上がりますよ」とすすめるのは、Webライターとして活動する山口なつめさん(@witch80906708)です。山口さん自身も、Webライターを続けるなかで、少しずつポートフォリオをブラッシュアップしてきたそう。
採用におけるポートフォリオとは、自分の得意分野を見てもらうための作品集のようなもの。初心者としては「実績がないから書けることがない…」と、心配や不安が湧いてきますよね。そこで今回は、ポートフォリオ作成のコツと注意点をライター歴4年の山口なつめさんにお聞きします。Webライター初心者さんは、ぜひ参考にしてください。
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こんにちは!Webライターの山口なつめです。
私は、20年間も専業主婦だったので、特別な職歴がありませんでした。それでも初期の頃はブログの実績をアピールしながら、なんとか応募したものです。
ここでは一般的なポートフォリオを作る手順と書くべきことをお伝えしますね。
1.自分の経歴の棚卸しをする
いきなりポートフォリオを作成するのではなく、まずは自分の経歴を棚卸しましょう。おもに以下のようなものをリストアップしていきます。
●学歴・職歴
●特技・趣味
●資格・技術
●スキル
それぞれ詳しく説明しますね。
■【学歴・職歴】
学歴や職歴は、履歴書のように卒業年や卒業高校まで詳細に書かなくてもOKです。
「私大経済学部を卒業」や「○○系の専門学校を卒業」「大学では心理学を専攻」といった内容で十分。もし、世間一般で言う高学歴であれば、書いておくのもひとつの手でしょう。
職歴も「食品系メーカーで営業職を3年」「化粧品販売の仕事に5年間従事」「大手旅行会社にて代理店営業8年」「広告系メディアで事務職5年」など、ざっくりした内容で大丈夫です。
転職が多いとマイナスかといえば、そんなことはありません。以前、転職系メディアから「転職の経験を活かした執筆をお願いします」と問い合わせがありました。転職経験が武器になる場合もあるんです。
ただ、アルバイトやパートで数ヶ月しか働いていない場合は省略してもよいと思います。
■【特技・趣味】
アピールできるような学歴や職歴がない…。そんな場合は、好きなことや昔から続けている趣味など、人よりも詳しく話せることを書きましょう。
地図を見るのが趣味で、理想の旅行プランを作成するのが趣味です。(=旅行系メディアへのアピール)
5年前からコーヒーを豆から手で挽いて淹れています。利きコーヒーが特技です。(=グルメ系メディアへのアピール)
10年前から個別株投資をしています。(=金融系メディアへのアピール)
ここでは、親近感を持ってもらうのが目的です。知的に見えて、かつ人とは一味違うものがおすすめです。
■【資格・技術】
保有資格は自己アピールに役立ちます。ただし、書くべき資格には、二通りの考え方があります。ひとつめは「何でも書いておく」、ふたつめは「取りたい仕事に関連する資格のみ書いておく」というものです。
取りたい仕事に役立ちそうな資格であれば、ぜひ書いておきましょう。
●剣道5段→武道メディアのコラム
●英検1級→英会話スクール紹介コラム
ここでは、実績がない場合のポートフォリオ作りがテーマですから、最初は保有資格全部を書いておいてもよいでしょう。というのも、なにが発注主のアンテナに引っかかるか分からないからです。求められているスキルが分かれば、応募直前に編集しても大丈夫です。それに、ポートフォリオは、実績ができるたびにブラッシュアップさせていくものです。
ちなみに、私は半年前にSEO検定1級と化粧品検定特級を取得しましたが、このおかげで仕事が取れたわけではありません。ただ、資格は勉強した証明ですから、自信を持って応募できるようになりました。気持ちのありようが変化したといえます。
■【スキル】
ここでのスキルは、使用可能なツールです。よく見かけるツールとしては次のようなものがあります。
Word・Excel・Googleドキュメント・スプレッドシート・Slack・Chatwork・Discord・WordPress
Webライターが書く原稿はGoogleドキュメントで納品する場合が多いため、特に必須のスキルです。スプレッドシートは案件管理やレギュレーション共有などで使用します。Slack・Chatwork・Discordは、仕事の連絡に使用します。また、記事の入稿システムであるWordPressを使えると重宝されるので、対応できるとアピールポイントとなります。
2.サンプル記事を作る
実績が何もない状態であれば、サンプル記事を作成しましょう。サンプル記事があると、どのような記事を書けるライターなのかが一目瞭然だからです。最もおすすめなのが、Wordpressで自分のブログを作成することです。ただ、ブログを形にするまでは時間がかかるため、GoogleドキュメントやWordでサンプル記事を作成するだけでも大丈夫です。
また、メディア運営者やディレクターからの問い合わせやスカウトを狙うのであれば、発注主に見てもらう目的でnoteを書くのもおすすめです。Webで公開しておき、いろいろな人に見てもらいましょう。
3.ポートフォリオを作成する
さて、ここまで準備したら、いよいよポートフォリオの作成です。自分の棚卸しでリストアップした「経歴・経験」「特技・趣味」「資格・技術」「スキル」はもちろんのこと、次のようなものもリストにしておきましょう。
●得意ジャンル
●納期の目安
●稼働時間
●料金の目安
ディレクターの友人曰く「副業ライターさんは稼働時間や連絡が取れる時間帯を知らせていただけると助かる」とのことでした。すぐに修正してほしいけれど、日中は仕事で連絡が取れないとわかっていれば、自分で対応するなど、他のやり方を考えられるからだそうです。
また、料金は文字単価を載せている人が多いのですが、最低でも文字単価1円以上にしておくことをおすすめします。「希望文字単価0.5円~」と書いてあると、よほど自信がないのかと、依頼するのをためらってしまう人もいるためです。
ポートフォリオにnoteを利用している人は多く、私もnoteでポートフォリオを作成しました。さらにXやInstagramなどのSNSを運用して、ポートフォリオのリンクを貼っておけば、スカウトされる可能性もあります。
いろいろ紹介しましたが、最初から完璧を目指さなくても大丈夫です。実績ができるたびにポートフォリオに掲載していき、少しずつブラッシュアップしていきましょう。発注主からお褒めの言葉をもらったら、そのままの言葉を掲載しておくのもおすすめです。(もちろん承諾を得てからですよ)
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山口なつめさんのアドバイス通りに準備すれば、実績がない初心者さんでも、最初のポートフォリオが作成できそうですね。最初のうちは「こんなことに詳しいですよ」や「こんなジャンルを書けますよ」とアピールしておくといいかもしれませんね。
いきなり完璧なポートフォリオを作るのではなく、少しずつブラッシュアップしていくのも新鮮な発見でした。これからWebライターの活動を始める方は、山口さんが教えてくれたステップにそって作成してみてはいかがでしょうか。
▶プロフィール
山口なつめ
SEOとインタビューに強いWebライター。2023年12月「仕事が途切れないWebライターとして月30万以上稼げるフリーランスになる方法」をkindleで出版。noteの積極運用を目指すコミュニティ『note運用チャレンジ部』を運営中。Webライターの営業術を解説するKindle2冊目も執筆中です。
文=YY