煮ものの定番といえば筑前煮! 鶏肉に野菜も複数入って栄養満点ですが、味つけに悩む人も少なくありません。そこで、予約の取れない人気和食店「賛否両論」の笠原将弘さんに上手な味つけのコツを聞きました。
教えてくれたのは…
▷笠原将弘さん
東京・恵比寿にある日本料理店「賛否両論」店主。お店の料理を惜しみなく公開した、創業20周年記念レシピ本『賛否両論 味の世界』(KADOKAWA)が大好評発売中。
煮ものの味つけは10:1:1
煮ものの味つけが決まらない、という人は多いもの。そこで笠原さんが考えてくれたのが、失敗知らずの味つけ黄金比。それがコチラ!
【だし汁10:しょうゆ1:みりん1】
家庭におすすめのだし汁は、鍋に水1Lと昆布10g、削りがつお20gを入れて中火にかけ、沸いたら弱火でことこと約5分煮て、こしたもの(冷蔵室で約3日間保存可能)。そんな時間もないときは市販の和風だしの素を使ってもOKです。その場合は、表示よりもうすめに溶くと、いいあんばいになりますよ。
「煮ものは加熱しながら味をつけていく料理。つききりじゃなくていいので、忙しい皆さんの日々のおかずにもぴったり。突き詰めれば難しい料理ですが、覚えやすく何にでも使える家庭版の黄金比を考えてみました。これで、皆さんも煮もの上手、間違いなし!」(笠原さん)
それでは、この味つけでさっそく煮ものを作ってみましょう!
筑前煮
煮る前に炒めるからコクが出る
【材料・2~3人分】*1人分271kcal/塩分2.0g
・とりもも肉 ・・・1枚(約250g)
・れんこん・・・ 小1節(約150g)
・ごぼう・・・ 1/2本(約100g)
・にんじん ・・・大1/3本(約80g)
・絹さや・・・ 6本
■煮汁
└だし汁・・・ 300ml
└しょうゆ、みりん・・・ 各30ml
サラダ油
【作り方】
1.れんこんは8mm厚さの半月切りにし、ごぼうは一口大の乱切りにする。鍋に入れて水をかぶるくらいに加えて中火にかける。沸いたらざるにあける。
2.にんじんは一口大の乱切りにする。とり肉は一口大に切る。
3.フライパンに油大さじ1を中火で熱し、とり肉を炒める。焼き色がついたら、1、にんじんを加えて炒め合わせる。
具材をまずは炒めて焼き目をつけ、そこに煮汁をからめるのがコツ。
4.煮汁の材料を加え、煮立ったら弱火にしてアルミホイルを落としぶたにし、約10分煮る。絹さやを加えてさらに約3分煮る。アルミホイルをはずして強火にし、煮汁を全体にからめる。
* * *
筑前煮は彩りもカラフルだし、1品で栄養バランスが整うありがたい煮もの。下ゆで&炒めてから煮込む、というちょっとした手間で、煮汁がしみこみやすくなり、コクも加わります。ぜひおいしく作ってみてくださいね!
レシピ考案/笠原将弘 撮影/広瀬貴子 スタイリング/池水陽子 栄養計算/スタジオ食 編集協力/赤澤かおり
文=高梨奈々