離れて暮らす親の防犯対策、皆さんはどうされていますか?
最近のニュースで注意喚起したり、防犯グッズを進めたりしても、なかなか聞き入れてもらえなくてやきもきする...なんて人も多いのではないでしょうか。
防犯アドバイスだけでなく、実家に帰省する際に親の様子を確認することも、防犯に役立ちます。判断力が衰えると詐欺に遭う確率が高まるため、判断力に不安がないか言動に気を配ることが大切なのです。
というわけで今回は、介護・暮らしジャーナリストの太田差惠子さんに、帰省の際に注意して確認すべきポイントをお聞きしました。
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▶︎教えてくれたのは
太田差惠子さん
介護・暮らしジャーナリスト。老親介護の現場を数多く取材。雑誌やテレビを通じて、離れて暮らす親のケアや高齢者住宅などの情報を発信している。最新刊に、お笑いコンビ「メイプル超合金」安藤なつさんとの共著『知っトク介護 弱った親と自分を守るお金とおトクなサービス超入門 第2版』(KADOKAWA) 。
判断力が現れるポイントは? 実家に帰省したらここをチェック!
■車体と運転
実家に帰省したら、親が運転する車に同乗。運転中の動作を観察してみて。
「運転が荒くなったり、曲がる際にウインカーを出し忘れたりすることが増えたら、判断力が低下している可能性あり。判断力が低下すると車庫入れで壁やフェンスに車体をこすることも増えるので、車体も確認を」
■冷蔵庫の中
冷蔵庫は、日々の生活が表われやすい場所。中をチェックすることで、親の変化に気づける場合もあるのだそう。「いつも整理整頓されていた冷蔵庫が、あるときあけてみたら庫内は汚れ、ごちゃごちゃに……。そんな変化を目にしたら、判断力の低下を疑ったほうがいいかもしれません」
■掃除
片づけには判断力が必要不可欠。「加齢により判断力が低下すると、掃除やごみ捨てが難しくなるケースがあります。帰省時には、部屋の中にほこりがたまっていないか、いつもきれいだった水回りが汚れていないかなど、親のプライドを傷つけないよう、こっそり家の中を見渡してみて」
■服装
身だしなみにも、判断力は影響を及ぼします。「ちぐはぐな色や柄の組み合わせの服を着ていたり、その季節に合った服が着られなくなったり。またいつも身だしなみを気にしていた人がメイクをしなくなる、髪を整えなくなるなどの変化も、判断力の低下が影響している可能性が」
■チェックしたら「親の言動気づきメモ」をつけてみましょう
「実家に帰省したときや、親と電話をしているとき、『あれっ?』と思うことがあったら日付けとその内容をメモしておきましょう。子ども世代は忙しく、『あれっ?』と思うことがあってもついそのままにしてしまいがち。でもメモに書き留めておけば、親の変化や、その背後に潜む犯罪や病気にいち早く気づくことができるんです。メモがたまったら、遠くから見守る時期は過ぎています。地域包括支援センターなどに今後の対応について相談を」
心配しすぎて生活に支障が...。時には割り切ることも必要
どうしても親の防犯意識が改善されない場合は、「だまされてもしかたない」と割り切ることも必要。「親の心配をし過ぎて自分の生活に支障を来しては、本末転倒。『もしだまされても私は支援できないよ』とくぎを刺し、親と自分の生活は別だと区別しましょう」
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親の老いを目の当たりにするのは、せつないもの。でも、子どものちょっとした目配り・気配りが、親を犯罪から守ります。次に帰省する際はさりげなくチェックしてみてくださいね。
イラスト/さかがわ成美 取材・文/恩田貴子