地球に埋まっている石油は、いつか掘り尽くされることだろう / (C)Xmentoys/PIXTA(ピクスタ)
地球上で起きていること、どれだけ知っている?
この地球で当たり前に感じていることでも、うまく説明できないことがありますよね。例えば、「青い空が夕暮れに赤く染まるのはなぜ?」「台風が日本列島めがけてやってくる理由は?」
そんな地球に生きる私たちが知っておくべき「理系雑学」をご紹介します。太陽系を含む地球の歴史をはじめ、地球上で成立した大自然や気候、動植物、資源など、地球をめぐる大疑問にスッキリ回答!あらためて考えると、私たちはこの地球にまつわるさまざまなことを、じつはほとんど知らないのかもしれないかもしれません。
※本記事は雑学総研著の書籍『人類なら知っておきたい 地球の雑学』から一部抜粋・編集しました。
地球上の石油はあとどれくらいで掘りつくすのか
地球に埋まっている石油は、いつか掘り尽くされることだろう。時々ニュースで「あと何年」などと言っているが気になるところだ。しかも、これからは大規模な油田は見つかりそうにないという。
『エネルギー白書2017』によれば、世界の石油確認埋蔵量は、2015年末時点で1兆6976億バレルで、これを2015年の石油生産量で割った可採年数は50.7年である。あと50年ほどだと聞くと心細い気もするが、じつは地球上の石油資源の埋蔵量は、年を追うごとに増えているのだ。
日本で石油埋蔵量のことが一般にも話題に登るようになったのは、1970年代の第一次石油危機から。当時は「あと30年」などと言われたものだが、その30年はとっくに過ぎている。
これは、新たな油田の開発や掘削技術の進化によって確認埋蔵量が年々増えているためで、可採年数というのも涸渇までの年数を表すものではなく、長期的には150年以上と予測されている。
しかも最近では、新しい資源であるオイルシェールの採掘が急成長をとげ、「シェール革命」と呼ばれている。オイルシェールは、石油になる前の段階で地層に堆積した頁岩の層で、シェールガスという天然ガスとシェールオイルという石油もとれる。採掘にはコストがかかるものの、現在では採算ベースにも乗るようになっており、日本にも輸入されている。
しかもオイルシェールは、北米、中国、西欧、中南米、アフリカなど世界の広い範囲で採掘できることがわかっており、石油資源の涸渇は当分心配ないのである。
著=雑学総研/『人類なら知っておきたい 地球の雑学』