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数千キロも離れた中国から、毎年黄砂が日本に飛んでくるわけ

  • 2025年2月1日
  • レタスクラブニュース
近年、「黄砂」の発生頻度が増加している
近年、「黄砂」の発生頻度が増加している / (C)Flatpit/PIXTA(ピクスタ)



地球上で起きていること、どれだけ知っている?

この地球で当たり前に感じていることでも、うまく説明できないことがありますよね。例えば、「青い空が夕暮れに赤く染まるのはなぜ?」「台風が日本列島めがけてやってくる理由は?」

そんな地球に生きる私たちが知っておくべき「理系雑学」をご紹介します。太陽系を含む地球の歴史をはじめ、地球上で成立した大自然や気候、動植物、資源など、地球をめぐる大疑問にスッキリ回答!あらためて考えると、私たちはこの地球にまつわるさまざまなことを、じつはほとんど知らないのかもしれないかもしれません。

※本記事は雑学総研著の書籍『人類なら知っておきたい 地球の雑学』から一部抜粋・編集しました。






数千キロも離れた中国の黄砂が日本まで運ばれるのはなぜ


地球温暖化や世界規模で進む急速な砂漠化にともない、近年、「黄砂」の発生頻度が増加している。日本にも、アジア大陸の乾燥地帯から飛来する黄砂が大きな問題となっている。

さて、毎年春になると飛んでくるこの黄砂、なぜ中国内陸部やモンゴルのように、日本からはるか数千キロも離れた場所から飛んでくるのか。それには二つの条件が必要となる。

第一の条件となるのが、強風によって砂じんが巻き上げられること。黄砂の発生源となっている乾燥地帯では、冬のあいだに雨や雪が少ないため、地面が乾いて大量の砂じんが発生する。そして、春の訪れとともに気温がどんどん上昇すると、大陸の上空で低気圧が発達し、大規模な砂じん嵐が次々と起こるようになる。

第二の条件となるのが、砂じんを東へと運ぶ上空の大気の動きである。日本を含む中緯度地域の上空には、常に西から東へと向かう偏西風が吹いている。嵐で巻き上げられた砂じんは、こうした偏西風に乗ることで大陸内陸部から日本へと運ばれ、遠くハワイやアメリカ本土にまで到達することもある。

ところが、季節が夏へと移り変わって気温がさらに上昇すると、日本付近では太平洋高気圧が発達し、西からの大気の動きをブロックするようになる。それと同時に、中国内陸部などでも砂じん嵐の発生する頻度が減るため、黄砂の季節はようやく終わりを迎える。ただし、先に挙げた二つの条件が整った場合には、秋や冬にも黄砂が発生し、日本でも観測されることがある。



著=雑学総研/『人類なら知っておきたい 地球の雑学』







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