地球上で起きていること、どれだけ知っている?
この地球で当たり前に感じていることでも、うまく説明できないことがありますよね。例えば、「青い空が夕暮れに赤く染まるのはなぜ?」「台風が日本列島めがけてやってくる理由は?」
そんな地球に生きる私たちが知っておくべき「理系雑学」をご紹介します。太陽系を含む地球の歴史をはじめ、地球上で成立した大自然や気候、動植物、資源など、地球をめぐる大疑問にスッキリ回答!あらためて考えると、私たちはこの地球にまつわるさまざまなことを、じつはほとんど知らないのかもしれないかもしれません。
※本記事は雑学総研著の書籍『人類なら知っておきたい 地球の雑学』から一部抜粋・編集しました。
サウナはとても高温なのにヤケドしないのはなぜ?
サウナで汗をかくと、さっぱりしていい気持ちになる。だが、サウナの中は90~110℃もの高温になっている。90℃のお湯なら、ちょっと触っただけでやけどするのに、どうしてサウナでは全身を高温にさらして平気なのだろう。
この理由はいくつもある。
まず、空気は水に比べて熱を伝えにくい、つまり「熱伝導率」の低い物質である。熱いお湯に触れると、皮膚もすぐその温度になるが、空気だとゆっくり伝わるので、かぎられた時間ならやけどをしないのである。
しかも、体の周囲にある空気の層はあまり動くことがないので、周囲の温度が高くても体はすぐには熱くならない。この厚さわずか数ミリの空気の層が、皮膚をしっかり守ってくれているのである。
サウナの中ではじっとしているのが原則だが、歩いたりすると熱く感じる。これは、皮膚を覆っている空気の層が乱れるためである。
サウナでかく大量の汗も、皮膚を守ることに一役買っている。そもそも汗には体温調節機能があって、かいた汗は皮膚を覆って水分の膜をつくる。水は熱を吸収する力は大きいが、温まりにくい性質があるため、皮膚が高温になるのを遅らせる。そして、かいた汗の一部は、高温の中でどんどん蒸発する。水が蒸発するときには、周囲の熱を気化熱として奪うので、体の熱もどんどん奪われて皮膚が冷やされる。
また、サウナの中は乾燥していて湿度が低いが、湿度が低ければ熱さにも耐えやすいのだ。蒸気を満たしたサウナもあるが、その温度は40℃ほどに保たれている。通常のサウナで湿度が高かったら、たちまちやけどしてしまうだろう。
ところで、サウナに入ったあとに体重を計ると、ぐっと減っている。だがこれは、汗をかいた分の水分が体から出ただけなので、水を飲めば、残念ながらもとに戻ってしまう。
著=雑学総研/『人類なら知っておきたい 地球の雑学』