赤ずきんちゃん、シンデレラ、一休さん、浦島太郎。そんな数々の言わずと知れた有名な物語も、ねこが加わっただけでひと味違った方向に!?
みんなが知ってる古今東西の昔話に、ねこが登場したらどうなるの? 原作では悲劇でも、ねこが登場するだけでゆるくてキュートなお話に変貌してしまいます。登場人物たちがねこに絆される姿には、「ねこだから仕方がない」と思わず納得してしまうこと間違いなし!
作品の元となった神話や名作についても改めておさらいしながら、ねこが加わることにより新たな展開を繰り広げる物語をぜひお楽しみください。
※本記事はぱんだにあ著の書籍『ねこむかしばなし』から一部抜粋・編集しました。
◆ねこの恩返し
■◆元となったむかしばなし
鶴の恩返し
むかしあるところにおじいさんとおばあさんがいました。冬のある日、おじいさんが山に入ると罠にかかり動けなくなった鶴がいました。助けてあげると鶴は一礼して去っていきます。
するとその日の夜、美しい娘が「泊まらせてもらいたい」と、おじいさんとおばあさんの家に訪れました。2人は快く迎え入れましたが、娘から「お返しに反物を織ります。この戸は決して開けないでください」と言われてしまいます。その反物を売って2人は裕福になりました。
ある日、2人は娘が織っている姿が気になり、戸を開けてしまいました。するとそこには罠から助けた鶴がいました。正体を見られてしまった鶴はそのままどこかに飛び立ってしまいました。
◆笠地蔵のねこ
■◆元となったむかしばなし
笠地蔵
むかしあるところに貧しくも心優しいおじいさんとおばあさんがいました。
ある大晦日のこと、2人は笠を作り、それを売ってお正月用のお餅を買おうと考えました。笠を持っておじいさんは街へと出かけましたが、笠は1つも売れませんでした。
その帰り道、おじいさんはお地蔵さんの前を通ります。おじいさんは「お地蔵さんも寒いだろう」と笠を被せてあげました。家に帰っておじいさんが申し訳なさそうに事情を説明しますが、おばあさんは何も気にしていませんでした。
その夜、扉の向こうから音が聞こえました。開けてみるとそこには金銀財宝が置かれ、遠くにはお地蔵さんたちの背中が見えました。2人は幸せな正月を迎えることができたのでした。
著=ぱんだにあ/『ねこむかしばなし』