ある日の編集部での会話。
C「うちの子、ベビースター大好きなんだよね」
S 「わかる~うちもよく買う。 昔ベビースターをベビースターで釣りながら食べたりしなかった?」
C「やった、やった(笑)。あとベビースターで絵を作って遊んだりもしたな~」
S「あの坊主頭のキャラクターがかわいいよね」
C「え? それってひと世代前じゃない? 今多分変わってる、帽子かぶってるキャラクターだよ」
S「はっ!!たしかにそうかもしれない!! 」
そうです。現在ベビースターラーメンのキャラクターは星柄の帽子がトレードマークの「ホシオくん」。
「坊主頭のキャラクター」とは、1988~2016年に就任していた「ベイちゃん」。ホシオくんに変わってからもう7年となり、店頭でも何度も目にしているはずなのに間違えてしまったのは、多分ベビースターを一番よく食べていた子どもの頃の記憶が潜在意識の中にあったからだと思われます。
子どものころからずっと食べ続けているお菓子って、それぞれに思い出があって、会話が自然と盛り上がりますよね。
そんなベビースターラーメンが今年の8月からいろんなところで「#こんなとこにもベビースター」とつぶやきたくなるようなコラボ企画をやっているのをご存知ですか? その内容がおもしろすぎたので、企画を担当したおやつカンパニーの田中さんと諸岡さんにその背景を聞いてきました。
江ノ電、ビール、Tシャツ、純金…コラボが止まらない!
今回の企画では、ベビースター発売65年目を記念して、8月2日の「ベビースターの日」を皮切りに既に10弾ものコラボを実施! 業界を超えた、意外なコラボばかりです。
「ベビースターは3世代にわたって愛されているロングセラーブランドで、認知度も97%を誇っています。そんなベビースターだからこそ、日常で忘れがちなあの頃のワクワクした気持ちをあらゆる世代にお届けしたいとの想いから、『こんなとこにもベビースター!?』と心はずむようなベビースターならではのおもしろいコラボ企画を展開したいと考えました(諸岡さん)」
SNSでも話題となったのが、江ノ電とベビースターがタッグを組んだラッピングトレイン。白と赤を基調にしたベビースターカラーの江ノ電が、鎌倉・湘南の街を走る光景は目を引くものがあります。当初は8月31日までの企画でしたが、好評につき9月末までの運行延長が決定!「ベビ電」という愛称まで生まれました。
「昭和の駄菓子屋テイストの内装には、世代によって異なるおなじみのキャラクターのらくがきや、ダジャレ満載なレトロ広告も飾っています。私も実際に乗ってみたんですが、ノスタルジックな車内の中で『子どものころはこんなベビースターだった』『今はこんな食べ方をしている』など、ベビースターのことでみなさんの会話が弾んでいたのがうれしかったですね(田中さん)」
ファッションブランド「フリークスストア」とのコラボもユニーク。アメリカンヴィンテージ感満載のTシャツも、プリントの文字をよく見ると「CHICKEN」の表記が! あわせて登場したベビースターラーメンのコラボパッケージもおしゃれです。
そして度肝を抜かれたのが、ジュエリーブランド・ユートレジャーとコラボした純金のベビースター。思わず食べてしまいそうなリアルな形状とサイズ感は、「型をとって職人が1つ1つ、丁寧に仕上げております」とのこと。65年目を記念して、65本限定で生産したといいます。値段は1本7万1500円!
「網走ビールとコラボして昨年好評だったベビースターに合うビール『ベビール』は、今年は味がさらに進化しています。うまみが強いベビースターに負けないビールの味とするため、麦芽の種類を変え、醸造期間も延ばしてさらにコクを出しました。最終的な醸造作業には、私も参加したんですよ。しっかりコクがありつつも呑み口のいいビールに仕上げているので、ベビースターをつまみにぜひ味わっていただきたいですね(田中さん)」
これも圧倒的な認知度を誇るロングセラーブランドだからできること。ベビースターの型破りなコラボが止まりません…!
おもしろいコラボ企画、どんな風に決まっていくの?
このユニークなコラボ、実は昨年も「#おやつの常識を超える」をテーマに全29弾ものコラボ企画を展開し、非常に盛り上がりました。どんなふうに企画が決まっていくのか、企画会議の様子が気になります…とうかがったところ、「コラボ案件に関しては、企画会議はほとんどやっていないんです」と意外な返答!
「小さい会社で社員の人数も少ないので、コラボだけを本業でやっている社員はいないんですよね。お客さまに驚きをもって受け入れられるかという部分を重視しつつ、日常のコミュニケーションの中でアイデアを出し合ったり、日ごろからアンテナを張って情報収集したりして企画案を出しています(田中さん)」
みなさんお忙しい中で、コラボ企画を進めているんですね~!
ベビースターは、プレゼントキャンペーンの景品も攻めているものがたくさん! 過去には総麺柄のスニーカーやリュック、最近では麺柄のロボット掃除機が登場し、ファンを驚かせています。(総麺柄のスニーカーはとくに好評で、昨年のコラボ企画でも、『リーボック』よりオリジナルスニーカーを販売!)。やっぱり社員のみなさんは、おもしろい方が多いんでしょうか!?
「うーん、どうでしょう(笑)。みんな真面目だと思いますよ! でもプレゼントキャンペーンの景品もそうですが、昔からベビースターのオリジナル性を大事にしているので、1つ1つの企画に社員が積極的にかかわってます。三重県の若戎酒造とコラボしたベビースターに合う日本酒『若エビスタ~』も、蔵元さんと対話を重ねて、私たちも仕込みに参加しています。今、第2弾を鋭意制作中なので楽しみにしていてください!(田中さん)」
ベビースターはこんな楽しみ方もできる!
ところでベビースターラーメンを販売する「おやつカンパニー」の公式Xをのぞいたことはありますか?
ある日の投稿につけられたのは、ベビースターラーメンの麺で作られた「月曜日」の文字。「麺文字」というそうです!
「ベビースターは不揃いだから、いろんな遊び方ができるんですよね。食品で遊ぶのは一般的にはよくないイメージがありますが、遊びながら楽しめるお菓子ってわくわくしませんか? 最近はイベントで麺文字を制作するワークショップを開催したりしています。お子さんだけでなく大人の方も童心にかえって楽しめる、ベビースターならではの憩いの時間を提供できたらと思っています(田中さん)」
また、あるときにはこんなつぶやきも。
「いつものポテトサラダにベビースターラーメンをまとわせるだけで、なんちゃってコロッケの完成!」
ベビースターラーメンは料理にも使えるんですね!!
「ベビースターはラーメンを作る製造過程で出るかけらをおやつとして提供したことがきっかけとなって誕生したお菓子。素材がラーメンと同じなので、食との親和性が非常に高いんです。もともと揚げてあるので、肉や魚にまぶすだけでフライのようなサクサク感が楽しめるし、好きな食材にマヨネーズをまとわせて、そのまわりにベビースターをつければ串揚げ風にもなります。サラダのドレッシングがわりにふりかければ、野菜嫌いのお子さんも食べやすいですよ!(諸岡さん)」
公式HPのレシピにはほかにも、冷やっこや生春巻き、卵焼き、炊き込みご飯(諸岡さんイチオシ!)、スイーツなど、ベビースターのうまみや食感を活かしたレシピが満載! ベビースターを使うことで子どもは喜ぶし、大人はちょっとラクできる。忙しい日々の中で、なんだか癒やされます。
「ベビースターならではの魅力を伝えることで、ちょっとでもワクワクした気持ち、元気になれるイメージを持っていただけたらうれしいですね。お疲れ気味の毎日の中でもベビースターがあるとなんとなく明日も頑張ろうかなと思ってもらえるブランドを目指して、これからも頑張っていきます!(諸岡さん)」
昔から親しんでいるお菓子に意外な場所で出会えると、大人の私たちもうれしくなりますよね! 今後の展開も楽しみにしています!!
「最近周りの期待値がどんどん高まっていて、プレッシャーが…(笑)。社内でもセクションを超えてアイデアを出し合っていて、最近は異業種の方から逆にお声がけいただく機会も増えました。これからもみなさんを驚かせるような企画を実現できればと思っていますので、楽しみにしていてくださいね(田中さん)」
日常で忘れがちな、子どものころのわくわくした気持ちを思い出させてくれるベビースター。常識の枠にとらわれないベビースターの挑戦はまだまだ続きそうです!
文=齋藤久美子