暑い夏、冷たい食べ物やエアコンで体が冷えがち…という人は多いはず。体を温めるために1日1度はシャワーや入浴をするのはもちろんですが、その前後や、ふだんの生活の中でできる夏冷え解消法もいろいろあります。実践しやすそうなものから、ぜひ取り入れてみてください。
▶教えてくれたのは
早坂信哉先生
温泉療法専門医。東京都市大学人間科学部教授・学部長。温泉やお風呂の医学研究者として、25年にわたり4万人以上の入浴を調査。『おうち時間を快適に過ごす 入浴は究極の疲労回復術』(山と渓谷社)など著書多数。
誰でもできる!カンタン夏冷え解消法
こんなことでいいの!? こんなことが効果があるの! という目からウロコのテクニックばかりです。
テクニック1 入浴後、汗が引いたら靴下をはく
すぐに靴下をはくと、汗でぬれて体を冷やす原因に。汗が止まってからはくことで、入浴の保温効果が長もちする。快眠のためには足から熱を放散させたいので、寝るときには脱ごう。
テクニック2 しょうが湯で体の内側から温める
しょうがを加熱すると「ショウガオール」という熱をつくり出す成分が増加。おろししょうがにお湯とはちみつを加えて作るしょうが湯が、手軽でおすすめ。
テクニック3 1時間に1回は立って血流をよくする
座りっぱなしだと下半身の筋肉が動かず、血行が悪化。座り過ぎは寿命が縮まるという衝撃の研究結果も挙がっている。オフィスでも自宅でも、1時間に1回は立ち上がって体を動かそう。
テクニック4 ドライヤータイムに手首を温める
首、手首、足首は冷え改善のために温めたい場所。お風呂上がりのドライヤータイムに、この3カ所に温風を当てると、ぽかぽかが持続する。熱いと感じたら無理せず離すこと。
テクニック5 冷えを感じたら腹式呼吸をする
副交感神経が優位な状態だと、血行が促進される。手軽な方法が、鼻から息を吸っておなかを膨らませ、口から吐く腹式呼吸。「深く」「ゆっくり」を意識して1分続けてみて。
テクニック6 ミネラル入りの麦茶を飲む
入浴による脱水症状を防ぐためには、水分補給が大切。夏冷え解消におすすめはミネラル入りの麦茶。血液がサラサラになって血流がよくなることが、研究で報告されている。
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暑くてついおっくうになってしまう夏の入浴。でも、冷えは体の大敵です! このプチテクニックも併用しながら、夏でもぽかぽか体質を維持しましょう。
イラスト/カラシソエル 編集協力/及川愛子
文=高梨奈々