素材のおいしさを引き出す方法を知っていれば、いつもの野菜も驚くほどおいしい1品に! そのコツを、人気の日本料理店「賛否両論」の店主笠原将弘さんに教えてもらいました。
「野菜たっぷりレシピ」、今回の主役は根菜のれんこんとかぶ。例えばれんこんはまるごとゆでてから切ると割れにくくなる、かぶは切り目に砂糖をふっておくと焼き目がつきやすい、など和食のプロならではのとっておきのワザが満載です。
【料理を始める前に】
●レシピの表記について:野菜は特に表記がないかぎり、皮をむき、へた、種、わたなどを除いています。
●レシピ中の分量について:小さじ1は5ml、大さじ1は15ml、1カップは200mlです。
●フライパンについて:使用しているフライパンは、特に表記のない場合、直径26cmのものです。
●加熱機器について:ガスコンロを基準にしています。IH調理器などの場合は調理機器の表示を参考にしてください。
▶︎教えてくれたのは
笠原将弘さん
東京・恵比寿の日本料理店「賛否両論」店主。日本料理を日本に、世界に知ってもらい、味わってもらうべく、雑誌、書籍、テレビなどで活躍中。プロならではのコツを押さえたレシピで、本誌連載も大人気。近著『賛否両論 笠原将弘 保存食大事典』(KADOKAWA) が好評発売中。
れんこんはさまない焼き
【材料・2〜3人分】
れんこん…小2節(約200g)
肉だね
・とりひき肉…200g
・長ねぎのみじん切り…1/3本分
・おろししょうが…小さじ2
・片栗粉、酒…各大さじ 1
・砂糖…小さじ1
・塩…小さじ1/2
白いりごま…適量
照り焼きだれ
・酒、みりん…各大さじ3
・しょうゆ…大さじ1と1/2
片栗粉、サラダ油、一味とうがらし
【作り方】
1.ボウルに肉だねの材料を入れ、よく練り混ぜる。
2.れんこんは鍋に入れる。かぶるくらいの水を加え、中火にかける。沸いたら1〜2分ゆで、水にとって粗熱をとり、1cm厚さの輪切りにする。
3.れんこんの水けを拭き取り、片面に片栗粉を適量ずつまぶす。1の肉だねを等分にのせ、形を整える。
4.フライパンに油大さじ1を中火で熱し、3を肉の面が下になるように並べ入れて焼く。焼き色がついたら上下を返し、さらに3〜4分焼く。
5.フライパンの余分な脂を拭き取り、照り焼きだれの材料を加えて煮からめる。
6.器に盛り、一味少々や白ごまをふる。
(1人分258kcal、塩分2.4g レシピ考案/笠原将弘 栄養計算/スタジオ食)
「はさみ揚げはおいしいですが、やや手間がかかる。そこで思いついたのがはさまない焼き! ゆでたれんこんに肉だねをのせてこうばしく焼き、照り焼きだれでこうばしさもジューシーさもまとめて煮からめました」。れんこんは生のまま薄く輪切りにすると割れやすいですが、まるごとさっとゆでておくと、とたんに切りやすくなります。あとは肉だねをのせて焼くだけ。フライパンの余分な脂をふきとると、肉のくさみがとれてたれのからみもよくなります。
とりむねとれんこんの南部揚げ
【作り方】
れんこん(小1節)は皮つきのまま四つ割りにしてから横1cmの幅にカット。とりむね肉(小1枚)は余分な脂を取り除き、2cm角に切ります。ボウルに入れて小麦粉(80g)をまぶし、卵黄(1個分)をからめて冷水(80ml)を加えて混ぜます。
足りなければ冷水を少しずつ加えてまとめ、黒ごま(大さじ2)を加えて混ぜて。一口大にスプーンですくって形づくり、2cm深さの油を入れたフライパンにそっと入れて、中温(約170℃)で両面3~4分揚げます。器に盛り、塩、すだち、おろししょうが+しょうゆを添えて完成。
ころもをつけて揚げたれんこんはほくほく、とり肉はしっとりとした味わい。たっぷり入れたごまのこうばしい風味もたまりません。「南部揚げとは、ごまをまぶして揚げた料理のこと。岩手県と青森県にまたがる南部地方がごまの産地だったことから名づけられたそう。ころもに卵白が使われることが多いですが、あえて卵黄を使い、カリッと仕上げました」。
焼きかぶみそ煮
【作り方】
かぶ(4個)の根は皮つきのまま縦3等分に切り、砂糖(大さじ1)を両面にふります。
かぶの葉は5cm長さに切ってゆで、ざるにあけて塩を少々ふってさまして。しょうが(大1かけ)はせん切りにして水にさっとさらし、水気をきっておきます。ごま油(大さじ1)をひいたフライパンにかぶを並べて焼き、両面にしっかり焼き目がついたら余分な油を拭き取って煮汁(酒・水各1/2カップ、砂糖・みそ各大さじ3)を加え、弱火で7~8分煮て。
器に盛り、あえだれ(酢・みりん各大さじ1、うす口しょうゆ大さじ1/2、一味とうがらし)としょうがであえたかぶの葉を添えて。
「厚く切ったかぶに砂糖をまぶしてこんがり焼き目をつけて、あとは煮るだけ。ボリュームを出したい人は豚肉やとり肉を加えても」。かぶに砂糖をまぶすと焼き目がつきやすく、こうばしい仕上がりに。煮汁が少しとろりとしてきたらできあがりのサインです。しょうがであえたあっさりとしたかぶの葉がいい箸休めになってくれます。
* * *
ポイントを押さえて作れば、いつもの食材も贅沢なおかずに大変身! 素材の甘みや食感を存分に引き出すレシピ、ぜひ参考にしてみてください。
レシピ考案/笠原将弘 撮影/日置武晴 栄養計算/スタジオ食
【レタスクラブ編集部】