年の初めに食べるものとして、まず思い浮かぶのがお雑煮ですよね。でも何かと忙しい年の始めに、作り慣れていない料理を準備するのは大変…。どこまでちゃんと風習を守るべき? 最低限やったほうがいいことって何だろう? と疑問を持っている人も、きっと多いはず。そこで、令和の時代に合った、無理がなくて心も満たされる、年始の風習新常識を教わりました!
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▶︎教えてくれたのは
岩下宣子さん
「現代礼法研究所」主宰。30歳からマナーの勉強を始めたことで、相手を思う余裕が生まれ、かえって自由な気持ちになったそう。その経験を生かし、企業や学校などでの研修、講演でマナーの楽しさを伝えている。
今の暮らしに合わせて、自分で年末年始のルールづくりを!
「お正月は先祖=年神様を家に迎えて、ことしも家族が平和に暮らせますようにと願う日でした」と岩下さん。「鏡餅は豊作を象徴する米で餅を作った、年神様への供物。餅を食べることで神様の力を取り込むなど、一つ一つに込められた意味があります。その意味を理解して、感謝の気持ちを忘れなければ、風習やルールは各家庭でアレンジしていいのです。忙しさや状況に合わせて、無理せず楽しむことが一番。家族で楽しい年末年始の思い出をつくってください」
【編集部より】年中行事は、無理せず生活にメリハリをつけて楽しめればOK!
お正月をはじめ、昔から行われてきた年中行事は、必ずしもやらなければいけないものではありません。面倒くさい、負担になってしまうと感じるのではあれば、やらなくてもOKくらいの心構えでいいのです。とはいえ、コロナ禍で感じた人も多いと思いますが、行事やイベントなどの区切りがないと生活にメリハリが出ないのも事実。正月は、今年も頑張ろうと気合を入れるのに最適!最低限必要なことだけ押さえて、楽しむという気持ちを大切に行いたいですね。
令和版・雑煮のオキテ
何のためにするの?
元日の朝にくんだ水と神聖な火で、年神様にお供えした食材を雑多に煮たものが雑煮とされ、これを食べることは神様と一緒に食事をする意味があり、大切な儀式でした。
令和はこれでもOK!
みそ汁でもいいので餅を入れて元日の朝に食べましょう
雑煮を食べることは、年神様の力を体に取り込み、縁起を担ぐもの。地域や家庭によって個性があるように「こうでなければ」というルールはありません。いつものみそ汁に切り餅を入れるだけでもいいので、一年の最初の食事で食べましょう。
これだけはNGです!
食べずに過ごすのはできれば避けたい
一年に一度の節目です。食べないのは望ましくありません。
【編集部より】味噌汁にお餅を入れるだけでも、雑煮です!
お餅には年神様が宿るといわれているので、パワーをつけるためにも一年で最初の食事は、ぜひ雑煮を食べましょう!とはいえ、雑煮の味は全国津々浦々。入れるお餅は丸餅だったり、角餅だったり…、汁はすまし仕立てだったり、白味噌だったり…。それくらい「これじゃなくちゃダメ!」というものがありません。気張らず、いつもの味噌汁にお餅を入れるだけで十分なのです。
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いつも作っている味噌汁にお餅を入れるだけ、と考えると気持ちがグッとラクになりますね。あれもこれもやらなくちゃ!と義務感で頑張るよりも、マナーや常識は押さえた上で、できることをできる範囲で、楽しみながらするほうがGOOD。幸せな気持ちで年の初めを迎えましょう!
編集協力/田中理恵 編集部コメント取材/松田支信
【レタスクラブ編集部】