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またこんなもの買ってきて!中1娘の金遣いの荒さが心配です【小川先生の子育てよろず相談室】

  • 2022年7月19日
  • レタスクラブニュース


「うちの子のこんなところが心配」「私の接し方、コレでいいの?」子育ての悩みは尽きません。でもそのお悩みも、教育のプロの目を通すと、お子さんの個性や魅力を再発見するきっかけになるかも!?
教育家の小川大介先生が、子育てに関する悩みに対してアドバイス。回答文最後の「大丈夫!フレーズ」が、頑張っているあなたの心をスーッとラクにしてくれますよ。連載第111 回のお悩みはこちら。

【お悩み】

中学1年の娘のお金の使い方についての相談です。小学生の頃から学年×100円のおこづかいにしていて、今は月700円渡しています。文房具など日常的に必要なものは別途買ってあげているため、これまではお金を使うシーンがほぼありませんでした。そのため、おこづかいもお年玉も貯め込み、今は万単位でお金を持っています。あまり大金を手元に置いておくのは良くないので、1万を超えるお金に関しては貯金させていますが、本人の中では、自分が使えるお金があるという認識です。

中学生になると、周りの友達は好きなアイドルグループのグッズや本を買ったり、コラボカフェやライブに行ったりと、結構お金を使っているようでした。そして娘も、好きなアイドルグループができ、先日友達とコラボカフェに行くことになりました。その際、娘は自分の判断で相当な額のグッズを購入してきました。本人としては、「お金があるから使う、買えるから買う」と思っているようですが、親としてはいきなり大金を使ってきたことに不安を感じています。しかも、娘は先の見通しを立てるのが苦手なタイプで、来月にはもう要らなくなってるんじゃないかと思われるものを、買えるから買ってしまっているような気もします。

とはいえ、子どものおこづかいの使い方に関して、どこまで親が介入していいかがわからず、対応に迷っています。とりあえず今は、「例えば5000円のものを買うのに、何か月分のおこづかいになるか、それでも欲しいかを考えてから使うようにしようね」とだけ話してあります。中学生の子どものお金の使い方に関し、親としてどこまで介入し、どう対応すべきなのかアドバイスをいただきたいです。(Yさん・45歳)

【小川先生の回答】

■適切にお金を使うにはセルフコントロール力が不可欠

まず教えてあげなきゃいけないのは、「お金は便利なものだからこそ、それを使うには心のコントロールを養う必要がある」ということです。このセルフコントロール力というのは、小さい頃から、少額のおこづかいの範囲内で使う使わないを決めてきた子であれば、自然と育まれていくもの。しかし娘さんのように、日常的なものは親が買ってあげている子の場合、基本的に満たされているため、お金を使う必要がありません。使う必要がなかったということは、使う際の心の動きや欲望の制御にも慣れていないため、あるだけ使ってしまうのです。

つまり今の娘さんは、これまでお金に関するセルフコントロール力を養うことなくきて、いきなり使える権利だけ得てしまった状態。その状態でそれなりの額を使うのは、実はとても気持ちがいいものです。なぜなら、お金を使うということは、人に何かをしてもらうのとイコールなため、間違いなく快楽なんですよね。お金を使う必要がなかったというのは、別に悪いことではないのですが、長い時間をかけて段階的にセルフコントロール力を学ぶという機会を逸してしまったのは事実。ですから、お金を使う必要がでてきた今、自然と学ぶのではなく理屈で教えてあげる必要があります。

■ルールを課すだけでなく、背景にある親の想いをセットで伝える

具体的な方法としては、決めた範囲で使うようにして、その額を超える場合はまず親にひとこと言うなど、段階的にルールを設定していくといいと思います。また、既に実践されているように、使う際には本当にそれが欲しいかを考えさせるのも大切なことだと思います。

ただ、ここで気をつけて欲しいのは、ルールだけを課すのではなく、その目的を子どもにきちんと説明すること。目的は管理することではなく、本人がお金に振り回されなくてすむような、心の成長をしていけるように手伝うことです。「あなたが大人になったときに、お金のことで困らない人生を送って欲しいから」という親の想いを必ずセットにして伝えてあげてください。

詐欺にしろ、横領にしろ、世の中の犯罪の多くは、お金の魔力に負けた人たちが起こすもので、制御が効かずに本能に引きずられた結果といえます。だからこそ、「使う気持ち良さだけにまみれてしまうようになって欲しくない」という、背景の想いも丁寧に伝えるようにしましょう。「お金を使ってはいけないと言っているのではなく、お金とのつき合い方を学んで欲しい」という親としての指針をしっかり持ち、「欲望や本能に支配されずに理性が働く人生を送って欲しい」のだということ。それをちゃんと伝えないと、子どもはただ口うるさく抑え込んでくる親という解釈をして反発を招くことにつながります。

■定期的な断捨離で振り返りの時間を設ける

おこづかいで何を買うかについては、要る要らないを親がジャッジするのは良くありません。すぐに要らなくなるものだとしても、決めるのはあくまでも本人。なぜなら、その瞬間は友達と同じものを欲しいというのが切実な場合もあるからです。ただ、お金というのは大切なものですから、すぐに要らなくなるものにお金を出すというのは、やはりもったいないことではあります。なので、大人の知恵としては、後で振り返ってどう思うか考えさせてあげる機会を作ってあげることです。

例えば、半年に1回など断捨離の日を設けて、部屋の片づけがてら要る要らないの再点検を手伝いましょう。おそらく本人としても、「なんで買っちゃったんだろう」というものも出てくると思います。そのときは「次に同じようなもったいない使い方をしないですむように経験していけばいいよね」と言えばいいだけ。その瞬間は切実に欲しいと思ったものが、後で大したことないというのも、経験しないとわからないものです。振り返りの時間を設けて、失敗を経験しながら成長していけばいいと思いますよ。

小川先生からの「大丈夫!」フレーズ
『お金を使うのに慣れていないだけ。失敗しながら学んでいけるから大丈夫』
娘さんはお金を使うことに関しては初心者なので、つき合い方がまだわかっていないだけ。経験しないとわからないことも多いので、子どもの使える範囲内の失敗なら、したほうがいいと温かな目で見守ってあげましょう。「お金に振り回されない人生を送って欲しい」という親の想いをきちんと伝えて続けていけば、変な方向にいくこともありませんよ。

回答者Profile


小川大介

教育家。中学受験情報局『かしこい塾の使い方』主任相談員。

京都大学法学部卒業後、コーチング主体の中学受験専門プロ個別塾を創設。子どもそれぞれの持ち味を瞬時に見抜き、本人の強みを生かして短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。個別面談の実施数は6000回を数え、受験学習はもとより、幼児低学年からの能力育成や親子関係の築き方指導に定評がある。各メディアでも活躍。最新刊は『子どもが笑顔で動き出す 本当に伝わる言葉がけ』(すばる舎)。

小川大介の見守る子育て研究所YouTubeチャンネル、公式LINEアカウントでも情報発信中。

文=酒詰明子

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