コロナ禍の影響でペットを飼う人が増えたと言われています。人と会えない寂しさを癒やしてくれ、さまざまな喜びを与えてくれるペットは大切な家族の一員。でも、その一方で悩みを抱えている人もいるようです。
パナソニックが国内 1 万人に今後のペット飼育意向のアンケートを実施。ペットオーナー 500人にペットを飼っていて感じる悩みについても調査したというアンケート結果から、どれくらいの人が新たな家族を迎え、どんなことに悩んでいるのか。また、どう対処すればいいのか。獣医師のアドバイスとともに、最新ペット事情を見ていきましょう。
コロナ禍でペット人口は増加。「これから飼いたい」という人も
まずは、イヌまたはネコを飼っている全国のペットオーナー 500 人に、新型コロナウイルス感染症発生以降のペットの飼育数の変化をリサーチ。
新型コロナウイルス感染症発生以降に「イヌ・ネコを飼い始めた」人は12.8%、「イヌ・ネコの飼育頭数を増やした」人は4.2%で、ペットオーナーの17.0%はコロナ禍がきっかけでペットを飼い始めたり、飼う数を増やしていることが分かったそうです。
次に20 代~60 代の男女 1 万人を対象に、今後イヌやネコを飼いたいかどうかをヒアリング 。
すると26.7%が「今は飼っていないが条件が整えば飼いたい」と回答、「今は飼っていないが、すぐにでも飼いたい」2.2%と答えた人を合わせると、約 3 割にあたる28. 8%(2880 人)が、イヌやネコのペットを飼いたいと望んでいることが分かりました。
ペットを飼いたいと望んでいるのに飼っていない人は1万人中2880 人! 理由を尋ねてみると…。
「金銭面での負担が大きそう」32. 4%という経済的理由と、家の広さや構造、ペット不可ルールなどの「住環境の問題」31. 6% が大きな理由として挙がっていました。
また「お別れの日が心配」 25.9%と、しっかりと未来を見据えて踏み出していない人や 、 「抜け毛が多そう」20. 4% 、「部屋のニオイ」18. 1%とペットと暮らす上で生じる事象を不安に感じていることもうかがえますね。
ペットと共生するためには、 解決すべき課題やそれぞれの事情が多々あるようです 。
ペットオーナーの2大悩みはペットの「抜け毛」と「ニオイ」
そこで、イヌやネコをペットとして飼っているペットオーナーの男女500 人を対象に、ペットを飼う上での悩みについても調査。
ペットを飼っている上での悩みが「ない」と答えたのは 37. 6%。ペットオーナーの 62 .4% が何らかの悩みを抱えています。
悩みの内容を聞くと、「抜け毛」 27. 4% や「部屋のニオイ」 23. 6% が上位に。
さらに、ペットオーナーにペットのダニや毛に悩まされた経験を聞くと、「時々ある」32. 8%、「頻繁にある」9.2%と回答、 約4割がダニや毛に悩まされているようです。
また、ペットのダニや毛で部屋の空気が気になった経験を聞くと、「時々ある」30. 4%、「頻繁にある」8.8%となり、こちらも約4割に上っていました。
ペットによるダニや毛、そこから発生するニオイや浮遊物などの室内の空気環境に悩まされるペットオーナーは少なくないようです 。
ペットによる部屋の空気が気になると答えたペットオーナーに、部屋の空気に対処できているかどうかを尋ねると、半数は「あまり対処していない」55. 6% と回答、「対処していない」9. 7%と答えた人を合わせて、65. 3%は十分に対処できていないことが分かりました。
続いて、ペットオーナー全員に、ペットや家族のために部屋の空気を清潔に保っておきたいかどうかを聞くと、4 人に3 人は「保ちたい」75. 0% と回答する一方で、ペットのダニや毛、部屋の空気への対処は面倒に感じるかと聞くと、4 割は 「面倒に感じる」42. 4%との回答が!
ペットオーナーには、ペットや家族のために清潔な空気を保ちたいけれど対処は面倒というジレンマがあるようです。
ちなみに、ペットオーナーにペット由来のアレル物質について聞くと、12. 2% が 「詳しく知っている」、43. 0% が「聞いたことがある」と答え、半数以上の55. 2%がペット由来のアレル物質について認知しています。
ペット由来のアレル物質を知っていると答えたペットオーナーに、ペット由来のアレル物質への対策を聞くと、「積極的に行っている」のは18 .1% で、45. 7%は「あまり行っていない」、36. 2% は「全く行っていない」と回答。
ペットのアレル物質を認知している飼い主ですら、8 割以上が積極的な対策をとっていないことが判明。
積極的な対策をしない理由を聞くと、「不快な症状が出ていないから」48 .7%が多いものの 、 飼い主の4人に1人は「効果的な方法がわからない」23. 5%と答えており、気になるものの放置しているケースも少なくないようです。
獣医師に聞く、ペットとの快適な暮らし方
現在ペットを飼っている人も、これから飼いたいと思っている人も気になるペット由来のアレル物質。
どんな問題があり、どう対処すればいいのでしょうか。獣医師で「ますだ動物クリニック」 院長の増田国充先生に伺いました。
「人にとって有害なペット由来のアレル物質には、 ペットの毛(被毛)やフケ、唾液、ペットに寄生しているノミやダニなどがあります。アレル物質がゼロのペットはいません。
飼い主さんの体質にもより個人差がありますが、ペットを飼うのであればアレル物質対策はした方がよいでしょう。対策をしたから症状が出ないというわけではありませんが 、飼い主さんにとってもペットにとっても、よりよい環境にするための工夫は心がけていただきたいです」
具体的には、どうすればいいのでしょう?
「ペットにシャンプーやブラッシングをしてあげることで、抜け毛やフケの予防となり 、 ペット由来のアレル物質の抑制につながります。
また、ハウスダストや花粉などによる体の不調には、空気環境を整えることが有効とされていますが、ペット由来のアレル物質対策にも室内の空気環境を整えることが有効だと考えられます。換気や掃除は毎日こまめに行うことが肝心です。
空気清浄機などを使って、空気をよりよい状態に保つことも効果があります」
コロナ禍の影響で需要が高まった、空気清浄機。ペットとの快適な共同生活にも欠かせないアイテムのようです。
最近では、ペット由来のアレル物質の分解やペット臭の脱臭に、「帯電微粒子水(ナノイーX )」が効果的と分かってきています。
ぺットを飼うことは、ペットの一生に責任を負うこと。
すでに飼っている人も、これから飼いたいと思っている人も、人とペットが快適に健やかに暮らすために、効果的な空気清浄機で住環境や空気環境を整えたいですね。
[調査概要]
■実施時期:2021年10月7日(木)~10月11日(月)
■調査手法:インターネット調査
■調査対象:調査 ① 20 代 〜 60 代男女 1 万人(人口構成比に合わせて回収)、調査 ② =イヌまたはネコを飼っている全国20代〜60 代のペットオーナー500人(年代別に100 人ずつ)
※構成比は小数第 2 位以下を四捨五入しているため、合計が100 にならない場合があります。
文=岸田直子