ミニマルに暮らすことで、自然とお金が貯まっていく。
お金の使い方は暮らしそのもの。知らず知らずのうちに膨らんでいるお金の使い方を、根本から変えるヒントを紹介してくれる『ミニマリスト、41歳で4000万円貯める そのきっかけはシンプルに暮らすことでした。』。著者・森 秋子さんは、お金がなくて試行錯誤した経験から、ミニマルに暮らす心地よさに気づけました。
必要なのは、節約ではなく、本当に好きなものだけを買うこと。節約しなくてもお金が貯まる、ミニマリストが明かすシンプルな法則とは? 生活でものを減らすコツ、日々の家計の管理の工夫、避けては通れない、老後や子育て費用についてなど、ミニマルに豊かに暮らすための生活に役立つヒントを紹介します。
※本記事は森 秋子著の書籍『ミニマリスト、41歳で4000万円貯める そのきっかけはシンプルに暮らすことでした。』から一部抜粋・編集しました
休日は家族バラバラ、自由に放牧して過ごす
「正しい家族」伝説には、妻が夫を支えるべき、夫はイクメンで仕事もこなすべき、とか、新旧さまざまなものがありますが、「なくても大丈夫」なものがいっぱいあります。
例えば私は「休みは家族で一緒に過ごす」という習慣をやめました。自由に放牧し合って、それぞれが外で遊んできて家で待ち合わせ、という休日を送るようになってから、とっても快適で暮らしやすくなりました。
きっかけは子どもが小さい頃に、休日も早起きして9時くらいには公園に行きたくなっていたことです。私も早く出かけて早く帰りたいタイプなのですが、夫は、休日くらいはゆっくり過ごしたい派。スタートが遅い夫をいつも「早くして、早くして」とせかしてばかりで、ストレスいっぱいでした。
そもそも休日の過ごし方も、夫婦でやりたいことが違うのです。
田舎育ちの私は、自然に触れたいし爽やかな風に吹かれたい。一方都会育ちの夫は街遊びが大好き!
それで、ある土曜日に夫を放牧することにして、私が子どもと2人で遊びに行ったら、意外にいい!と発見しました。3人の意見をまとめていたところが、2人ならサクッと決まりフットワークが軽くなりました。入場料は大人1人分減り、その浮いた分を2人が使えます。予算にゆとりができて満足度も上がりました。行かないほうは自分の時間を自由に満喫し、ゆっくり体を休めることもできました。
私がひとり放牧されて、夫と子どもで都会に遊びに行くときもあります。その日は昼過ぎまで眠って、そのあとに風呂で読書という、まさに夢心地の休日が送れます。
「いつも一緒に」と縛られているときには、不満しか感じないほど夫との関係が悪化していましたが、別々に出かける制度を導入してからは心にゆとりが生まれて、2人で出かけてくれる夫が大好きになりました。今では子どもが中学生になったので、みんなそれぞれの休日を過ごしています。気が向けば待ち合わせをして一緒に過ごすこともできます。
家族バラバラなんて寂しい、と言われることもありますが、実践してみると満足度はすごく高いです。
■母親だってお休みしていい
家族一緒にお出かけすることに縛られていた頃は、帰宅してごはんをつくるのは私で疲れ果てていました。明日も早いのに、疲れている状態で家事をしないといけない、無意識のうちに夫に敵意を抱いていました。
それが2人で遊ぶと、放牧されていた1人が家で元気で待ってくれているので、すごく安心感があります。ごはんを作って待っていてくれるわけではないけれど、「ごはんを作って」と言ったら、作ってくれる余力もある。
母親業というのは、子どもを産んでからずっと休みがありません。
休めるのは、具合が悪くなったとか、どうしても外せない仕事や用事があるときだけ。それに耐えなければならないと思い込んで自分を縛ってきました。
でも本当は、母親だって「気が向かない」くらいの軽い理由で、放牧されることがとても大切な気がします。
家族がお互い好きなときに休める関係は、安心が生まれて、信頼が深まります。
以前の私は優しい母親や、理解ある妻をやろうとしてできなくて、それに落ち込み、回復に時間がかかっていました。
でも家族こそ、いつも一緒にいるからこそ、不満がたまるのは普通のことです。時々夫や子どもを嫌いになっていいと思えるようになって、すごくラクになりました。不満はためるのではなく、伝えていい。そして不満は伝えていいけど、そこで相手が変わらなくてもいいと思う。そんなふうに自分の本音を大切に暮らし、家族の風通しが良くなりました。
著=森 秋子/『ミニマリスト、41歳で4000万円貯める そのきっかけはシンプルに暮らすことでした。』(KADOKAWA)