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ゲーム&YouTube依存の小6息子。注意すると「家を出て行く」と自暴自棄に【小川大介先生の子育てよろず相談室】

  • 2020年12月1日
  • レタスクラブニュース
Amazonでも好評価の書籍「頭のいい子の親がやっている『見守る』子育て」の著者、小川大介先生が、悩める親たちにアドバイス。「うちの子のこんなところが心配」「私の接し方、コレでいいの?」など、子育てに関するありとあらゆる悩みにお答えします。連載第53 回目のお悩みはこちら。


【お悩み】


小6の息子のゲーム依存とYouTubeへの執着が異常に思います。ゲームは特に『フォートナイト』にハマり、友達同士でチャットをしながらやっているのですが、チャットの言葉も乱暴で気になります。5年生まではゲームもYouTubeも促せばやめられていたのですが、今は「あと少し、あと少し…」とエンドレスになってしまいました。厳しく注意すると暴言を吐き、母である私もどう対応していいかわからず、精神的にもやられてしまっている状況です。父親への態度も私と同様で、夫婦で困っています。

子どもの性格が白か黒か、で融通が利きにくいのも要因のひとつと考えています。例えば、「こうしたほうがいいんじゃない?」と何かアドバイスした際、それが自分の思うことと違うと、穏やかだったのが急に激しい感情をむき出しにすることがあります。その性格のせいか、先月も学校関係者とトラブルになりました。

原因は、下校時に息子の前を歩いていたグループが道幅いっぱいに広がって歩いていたのを、指導員さんが注意したのですが、息子もその一員とみなされてしまったことです。息子は「自分はやってないから謝らない」と激しく主張しましたが、指導員さんは聞き入れてくれなかったそうです。結局学校の先生に介入してもらい、指導員さんの配置を交換してもらうことで落ち着きました。この件を境に、ゲームへの依存がさらに強くなっているような気がします。

また、今まではできていた宿題や家庭学習もやらなくなり、登校しない日も目立つようになりました。担任の先生は、まめに連絡や訪問をしてくださり、とても協力的です。

ゲームやYouTubeの取り扱いで、時間などの約束をしようとすると、「この家から出て行く。さようなら」といった感じで自暴自棄な態度になり、親としても疲れてしまいました。どうしたらいいのかわかりません。(ぴぴさん・40歳)

【小川先生の回答】


■ゲームの世界に閉じこもることで安心を得ている
息子さんは融通が利かないというより、慎重な性格で、一通り自分が納得し、安全だとわかってから行動するタイプなんだと思います。逆に突発的なことが苦手なため、想定外の事態が起きるとパニクってしまい、それが態度が急変したように見えてしまうのでしょう。本人としては、いろんなことを納得しながら過ごしたいと思っているため、指導員さんとのトラブルのような、自分のことを信じてもらえないという納得できない事態が起きた時、人一倍傷ついてしまったのだと思います。そして傷ついた時に、自分の世界に閉じこもることでバランスを取ろうとしているのが、今の息子さんの状態と考えられます。

ゲームをやっている間は、その世界に自分も一員としていられるため、とても安全。しかも友達とチャットしながらとなると、自分からパーティーを抜けない限り、友達とも繋がっていられるわけですよね。彼にとって今ゲームの世界が居心地よく、安心できるのだと思います。

■逃避先としてのゲームは依存性も強くなる
ただひとつ気をつけたいのは、楽しみのひとつとしてゲームをできている状態の子はいいのですが、現実の世界からの逃避先としてゲームに没入している子の場合、友達より先にパーティーを抜けることに、ものすごいストレスを感じてしまうこと。自分が抜けた後にゲームの中がどうなるかも気になるし、友達から「もう帰るのかよ」と言われてしまうのも嫌なんですよね。そういう心理が働くため、なかなかやめられないのです。

親としては、あまり長くゲームをしているのは健康上にも問題があるため、「決まった時間で終わらせよう」と言っているだけかもしれませんが、本人からしたら、“自分の居場所を奪おうとしている”、“友達との関係を切ろうとしている”というふうに感じてしまうのです。“僕の居場所を奪うくらいなら、別の場所を探すよ”という思考回路から、「じゃあこんな家出て行く」という発言にも繋がるのでしょう。親からしたら突拍子もないと思うかもしれませんが、そのくらい本人は居場所を欲して追い詰められているのです。そんな状況で、“ゲームやYouTubeをどうにかしよう”という入り方をしても、余計頑なに閉じこもってしまう危険性があります。

■安心感を与えるのは対面より横並び
そういう現状を理解してあげたうえで、まずやるべきことは本人の周りの大人に対する信頼を取り戻すこと。その足掛かりとして「何がどうであれお母さんは僕の味方」ということを、本人に認めてもらうことが第一です。

具体的に何をすればいいかというと、「ママにもゲーム教えて」、「YouTube一緒に見よう」というように、本人の居場所の中に混ぜてもらいましょう。ゲームをやっている家族同士で連絡を取り合い、時間を決めてオンラインで家族ぐるみのゲーム大会をするのもおすすめです。そうすると、子どもたちも「ゲームがダメ」と言われているのではなく、時間の使い方や人間関係の作り方の面を大人は言おうとしていたんだと理解し、落ち着いてくれたりします。

また、ゲームやYouTubeを一緒にやると、自然と横並びになると思いますが、これも実は大きなポイントです。傷ついて居場所を欲しがっている子には、顔を向かい合わせるより、横に並ぶように座ってあげるほうが『仲間』や『味方』という感覚が得られて安心できるのです。おそらく今は、本人を心配して気遣うあまり、どうしても向かい合うようなシーンが多いと思いますが、話す際もソファなどに横並びに座ったほうが、すんなり会話も受け入れられやすいですよ。

■やめさせるのではなく、子どもの居場所に入れてもらう関わりを
息子さんの暴言についても気にされているようですが、おそらく彼の周りに言葉が乱暴な子がいて、それを敏感に吸収してしまっているのでしょう。息子さんの口から発する言葉も、周りの友達から刷り込まれた言葉である可能性が高いため、全て息子さん自身から出た言葉だとは思わなくてもいいと思います。

自暴自棄の態度を示すということは、“ここにいたい”という想いがあるからこそ。本当に嫌だったら、ちゃんと理由も述べて実際に出て行くものです。そうではなく、やけくそになっているということは、“ここにいたいけど、どうしていいかわからない”から。だからこそ、ゲームやYouTubeに逃避し依存しているのだと思います。ですから、そのもの自体を奪ったり制限したりするより、「じゃあせめてママも混ぜてよ」と関わり方を修正したほうが、本人の気持ちや信頼を取り戻すことができ、好転していくと思いますよ。

回答者Profile


小川大介

教育家。中学受験情報局『かしこい塾の使い方』主任相談員。

京都大学法学部卒業後、コーチング主体の中学受験専門プロ個別塾を創設。子どもそれぞれの持ち味を瞬時に見抜き、本人の強みを生かして短期間の成績向上を実現する独自ノウハウを確立する。個別面談の実施数は6000回を数え、受験学習はもとより、幼児低学年からの能力育成や親子関係の築き方指導に定評がある。各メディアでも活躍。著書多数。

文=酒詰明子

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