大人にとって「コート」というアイテムは、「人から見られているアイテム」です。人前で脱いだり着たり、預けたりするアイテムは他になく、扱い方やマナーが問われる場面がたくさんあります。
筆者はハイブランドの販売員時代に、コートは品格を問われる特別なアイテムだと感じていました。その選び方とマナーをお伝えします。
都市部において、ボアつきコートやロングダウンなど、以前真冬に活躍していたコートは出番が減りました。保湿性の高いインナーも登場しましたし、今やコートは防寒のためだけのものではありません。
ここ数年は、裏地のないダブルフェイスのコートやショートコートが主流です。
軽くてさらりと羽織れるタイプは、早い時期から着ることができます。アームがゆったりとしたものは重ね着もできて、コーディネイトもしやすいでしょう。
コートは一番外側に羽織るもので、当然内側は見えません。秋冬は、ニットやボトムにバリエーションを持たせて毎日着替えても、上に同じコートを着てしまえばコートの印象しか残らないことも多いのです。
コートを羽織る時期は、他のアイテムを買うことを最小限に抑え、TPOに合わせた上質なコート(プライベート用と仕事用)を2枚用意しましょう。自分の印象を決めるものだと思って選ぶことをおすすめします。
コートは洋服を汚さない塵よけの意味もあるため、訪問時では玄関に入る前に外でコートを脱いでおきます。中に入ったら、コートは裏を表にして三つ折りにし、左腕にかけます。もちろん退出時は、外へ出てから着用します。
お店などで預けたコートを「どうぞ」と着せてもらうシーンでは、腕を羽のように後ろ斜め下へ向け、下に降ろしたまま背を向けましょう。
手を通そうとして、コートの袖の入り口を探しながら頭や身体を左右に動かすと、スマートに着ることができません。
コートの扱い方で洗練度がわかります。慣れが必要なので練習してもいいかもしれません。この秋冬は、自分の分身のようなコートを選んでくださいね。
(ミニマムリッチ®コンサルタント 横田真由子
株式会社ケリングジャパン(旧 GUCCI JAPAN)で販売スタッフとして有名人やVIP客の担当となり、3年で店長に昇格。独立後「上質なものを少しだけ持つ人生」=「ミニマムリッチ®ライフ」を提唱する。)
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