寒い日に、居酒屋などで温かい料理を注文した際、一緒に飲みたくなるのが熱燗です。カラダを内側から温めてくれますが、お店から出るとカラダがまた冷えるのが難点。できれば、お店のような熱燗が家でも飲めればいいと思いませんか? そうすれば、カラダがポカポカな状態のまま、眠りにつくこともできます。今回は、料理研究家である筆者が、「熱燗を作る正しい手順」をご紹介します。
ひとくちに熱燗と言っても、その温度によって呼び名が変わります。通常、熱燗と呼ばれているのは50度くらいのもの。さらに熱い55度以上のものを「飛切り燗」と言います。熱燗より少し低い45度くらいのものが「上燗」。さらに温度が下がるごとに「ぬる燗」「人肌燗」と変わっていきます。日本酒のなかでも熱燗に適しているのは、普通酒や本醸造酒です。
徳利をそのまま加熱すると、日本酒の繊細な香りが逃げてしまいます。ですから、徳利に九分目まで注いだら、熱する前に口をラップで塞いでください。こうすることで、香りの成分の分散を最小限に抑えることができます。
鍋に徳利が半分以上つかるぐらいの水を入れて沸騰させます。このぐらいの水の分量だと、熱が均等に伝わりやすいのです。沸騰したら火を止めて、徳利を入れて温めます。
お酒は熱を加えられると体積が増えます。すると、徳利の口付近にまで上がってくるので、そこで取り出しましょう。あまり高温で長時間熱するとアルコールが飛ぶため、短い時間で済ませるのがポイントです。
湯煎のときと同様に、徳利の九分目まで日本酒を入れて、口にラップをしてレンジにかけます。温度にムラが出やすいので、こまめに確認しつつ、おこないましょう。徳利内の温度を測る「酒かん計」というのもあるので、利用してみてもいいかもしれません。
いかがでしたか? 年末年始はなにかとバタバタしますから、家でゆっくりして疲れをとることが大事です。美味しい熱燗を作って部屋でのんびりすごして、英気を養ってください。
(料理研究家 オガワチエコ)
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