最近よく聞く「腸活」や「菌活」という言葉。これは主に食事やマッサージなどで、腸内細菌のバランスを整えて腸の働きを活性化させる養生法のこと。でもなぜ腸がそんなにも大切なのか? 今さら聞けない「腸内細菌の働き」や「腸内細菌にとってのOK・NGなあれこれ」について、わかりやすくご説明します。
人の身体には細菌やウィルスから身体を守るための免疫システムが備わっています。この免疫細胞の7割はなんと、腸内細菌が作っているといわれています。そのため、腸内細菌のバランスがよければ免疫力もアップすると考えられているのです。また、腸内細菌はセロトニンやドーパミンなどの脳の神経伝達物質生成にも関わっているため、日々の幸せ感度は腸内細菌のバランスと比例しているともいえます。
(1)不安や緊張からくるストレス
腸内細菌の不足やアンバランスを招く大きな理由の一つに、精神的な不安や緊張感から起こるストレスがあります。脳と腸は離れた場所にありながら、実は密接につながっており、脳が感じたストレスは腸にも伝染するといわれているのです。
(2)抗菌・除菌グッズ
清潔志向の日本人にとって抗菌・除菌グッズは欠かせない生活品となっています。しかしこれらは悪い菌のみならず、人にとって大切な腸内細菌や皮膚常在菌までも殺してしまうといわれているので、使いすぎは禁物です。
(3)抗生物質
抗生物質を飲むと下痢をする方がいますが、これは抗生剤が腸内細菌を攻撃してダメージを与えるためだと考えられています。 感染症などの緊急時には効果的ですが、服用の場を間違えると腸が荒れてしまう可能性もあるので、注意が必要。服用の際は医師とよく相談しましょう。
腸内細菌のエサとなるのは、消化できずに残った食物繊維。よって食物繊維が多く含まれる食材を積極的に取り入れることで、腸内細菌の数を増やすことができます。発酵食品も菌のバランスを整えてくれる優秀な食材。味噌やしょうゆ、塩麹などを使った伝統的な和食は、腸内細菌を活気づけてくれる優れた調理法のひとつといえます。
腸内細菌の働きを知ると、きっとこれまでの生活や食への意識が変わることでしょう。しっかり菌を育てて、いつまでも健康で、美しく、幸せでありたいものですね。
(ホリスティックビューティインストラクター Eriko)
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【参考】
※藤田紘一郎著(2011)「腸内革命 腸は、第二の脳である」(海竜社)