歴史のこと、政治のこと、環境問題のことなど、子どもに不意に質問されてうまく答えられなかった経験はありませんか?今回のテーマは「税金はなぜ払わないといけないのか」です。わかりやすい解説に定評のあるジャーナリスト池上彰さんなら、どう答える??
私たちの暮らしを支えるために使われるのが税金です。
たとえば火事が起きたら、素人が火を消すのはとても危険です。だから消火に当たるのは、訓練されたプロの消防士です。24時間いつでもかけつけてくれる消防士の給料は、税金から支払われています。
あるいは、公立学校の校舎やプールなどの設備を整えるお金や先生の給料だって、税金から支払われています。日本中の子どもが平等に義務教育を受けられるのは、税金のおかげです。
税金は、防災や教育など社会の枠組みを支える、橋や道路を整備する、困っている人を支援するというようにみんなのために使われるお金です。公共の仕事につく人の給料など、国の土台を支えるお金でもある。
だから、払うべき税金を払わない「脱税」は罪になるのです。
税金の集め方や使い道にはよく考えなければいけない点もたくさんありますが、税金は、みんなが気持ちよく暮らすためになくてはならないお金なのです。
池上 彰(いけがみ・あきら)●1950年長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、NHK入局。2005年よりフリージャーナリストとして活動。著書累計750万部超。