見たことある漢字なのに、送り仮名がつくと途端に読めなくなる漢字、ありますよね。今回もまさか漢字表記があったとは!系のこの漢字から。
「宛名」の「あて」ですから素直な人なら普通に「あてら」と読むでしょう。「あてら」… 関西弁で「私たち」のことですよねきっと。って違います。
ちなみに今回の読み方とは全く関係ないのですが、「あてら」といえば、鉄道マニアの間では有名な、最難読の駅名が山形県にあるんです。
それは「JR左沢駅」。
難読駅名ファンの聖地、左沢駅の駅舎。モダンな造りですね。
これで「あてらざわ駅」と読みます。「左」と書いてあてら!これは昔、地域を流れる最上川の、あちら(左側)とこちら(右側)で呼び分けていたことからついた地名なんだそうです。
難読漢字の世界って本当に奥深く、歴史を感じますよね。
というのは置いておいて、本題の「宛ら」。
これはパソコンやスマホの漢字変換でもわりとすぐに出てくる文字なので、うっかり変換してしまい、相手の方が読めないということが起こりそう。
さて、なんて読むのでしょう。
「宛ら」は文法用語で言うところの副詞。「まるで」という意味です。
また、同じ漢字を用いてほぼ同じ意味で使われる「宛も=あたかも」という言葉もあります。
いずれにしても、覚えておいて損はありませんが、読み手のことを考えたら、かなで書いておくのが無難ですね。
それではまた次回をお楽しみに!
文/伊波裕子 ※暮らしニスタの過去の人気記事を再編集して配信しています。