最近ニュース番組や情報番組でも「SDGs」という言葉、耳にする機会が増えましたよね。地球に良い活動であることはわかるものの、何を実践すればいいかわからないという人も多いのでは?
そこで主婦の皆さんが実際にやっていることを聞いてみました。実践している人としていない人で開きがあったこのテーマ、ぜひチェックしてみてくださいね。
「よく知っている」、「聞いたことはある」を合わせると90%以上が「知っている」という結果に。テレビやネットのニュースでもたびたび登場する言葉だけに、「SDGs」という言葉そのものは主婦にも浸透しているようです。
「関心がある」、「かなり関心がある」を合わせると7割以上の人が関心を持っていることがわかりました。ただし「あまり関心がない」が2番目に多く、言葉そのものは知っていても、SDGsの具体的な内容をあまり理解できないことが無関心へと繋がる傾向があるようです。
「地球環境や世界の人々が、より良く生きていける未来を作っていきたい」
「将来子供たちが環境問題などで困らないように、実践できることはしたいと思う」
「世界中が一致団結して平和に生きることを目標とするのは素晴らしい」
「自分にできることが具体的にわからない」
「大きい企業のSDGsはきちんとしていると思うけど、その他は製品やサービスの手段にされている気がして、目に入れないようにしている」
「もともと自分ができる範囲内のことはやっているからこれ以上意識して生活を苦しくするのはつらい」
SDGsに関心を持つ理由としては、「住みやすい地球のため」、「未来の子供たちのために何かしたい」など、環境問題への長期的な取り組みとして受け入れているよう。また「節電」「エコバッグ」など、家庭内でできることはすでに始めているという回答も目立ちました。関心がないのは、「調べてもわからない」と“持続可能な開発目的”を難しく捉えている傾向が。中には「製品やサービスを売り込むための方法になっている気がして…」という辛辣な回答も。
すぐに実践できる「食品ロス」を心がけているという回答が多数。前日の残りものでリメイク料理を作るなど、主婦ならではの経験を活かして取り組んでいるみたい。洋服はリサイクルへ、プラゴミ、生ゴミなどを減らす努力をした上で、ゴミの分別をきちんとするのはもはや当然のこと。さらに「ゴミの分別は正しく、できるだけ細かく」を実行しているという回答も。
皆が家の中でやっていること「冷蔵庫の中味を把握して、買い物メモで無駄な買い物を減らし、食品ロスに役立てています」
「カレーの翌日はカレードリアにするなど、料理が余ったらリメイク料理にして、食品ロスを防いでいます」
「うっかり賞味期限が過ぎても食べる。全然食べられる!」
「ゴミは分別してできるだけリサイクル。環境負荷がかからない包装材を優先して購入する」
「エコバッグを持ち歩いている」という回答が大多数。2020年7月1日からのプラスチック製買い物袋有料化から1年半が経ち、主婦の間でエコバッグを持つことは常識になっているよう。他にも「ペットボトル飲料は買わず、マイボトルにお茶を入れて持っていく」「車に乗らずに自転車を活用」など、すぐにでもできることから始めていることがわかりました。
皆が家の外でやっていること「エコバッグは必ず持ち歩く。折りたためる小さいサイズもあるので便利」
「買い物には自転車で。運動にもなるし、買いすぎ防止にもなる」
「ダンボールや新聞、ペットボトルはスーパーに持っていきポイントにします」
「コーヒーショップでは紙のカップではなく、マグカップでお願いします」
はい 38.4%
いいえ 61.6%
SDGsという言葉は主婦にもジワジワと浸透しているようですが、家族では「話さない」という回答が約6割以上。自分は関心を持っていても、夫や子供が興味を持っていないと話題に上がることは少ないよう。家族で問題意識を持ち、SDGsへの取り組みを実践している家族は少ないようです。
ゴミの分別、リサイクルなどテレビで特集が組まれた時に、子供を含めた家族で話し合う機会に繋がることが多いよう。環境問題を取り上げる家庭が多い中、「SDGsの内容に詳しい」派は「男女平等の実現」や「LGBTQ問題」にも注目。より生きやすい世の中にするために、「多様な価値観を認め合う社会」について子供と話し合っているという家庭もありました。
家族でどんなことを話してる?「SDGsの話題が上がると子供たちと見て話題に。ゴミを使って作ったアート作品やリサイクル商品に注目しています」
「ペットボトルは使わず水筒を持つ、過包装のものはなるべく買わないなど、子供たちにも無理なくできるエコな暮らしを教えている」
「ニュース番組で男女平等について触れた時に、今の日本はまだまだ遅れているから、もっと工夫して時代を切り拓いていきなさいねと助言した」
「子供が小学校で習ってきたので、食事の時に話し合った。クイズ番組でもよく出てくるので日常会話として話している」
ある 52.3%
ない 47.7%
植物由来のタンパク質に移行することで、環境負荷の軽減が期待される大豆ミート。ファストフードで大豆ミートを使ったメニューが開発されるなど、日本でもより身近に。ただし「食べたことがある」はまだまだ5割に満たないことがわかりました。
「味は普通だけど、また利用したい」という回答が50%近くに。「美味しいからリピートしたい」と合わせると7割超えで、多くの人が食生活に取り入れたいと思っている傾向が。一方で約3割が「あまり好きではない」と答えていて、味の好き嫌いは分かれることが判明。おいしく食べられるメニューが広まれば、もっと関心を持つ人が増えるのかも?
「健康に良さそう」、「ダイエットのため」という回答を合わせると6割近くが、健康食、ダイエット食として捉えている傾向があるみたい。積極的に「SDGsに貢献したい」という回答は5%以下で、SDGsに大豆ミートを利用したいという回答は極めて少数派。大豆ミートを使うことのメリットをまだまだ知らない人が多いのでは?
興味はあるけど、美味しくなさそうだから 30.8%
調理方法があまりイメージつかないから 23.1%
子供や夫がいやがりそう 16.5%
「大豆ミート」の存在を知らなかったから 16.5%
やっぱりお肉の代わりにはならないから 14.3%
新しい食材にあまり興味がないから 9.9%
「興味はあるけど、美味しいか不安」という回答が30%以上。使ったことがない食材ということもあり、「子供や夫がいやがりそう」など、味に不安を持つ人が多いみたい。意外と目立ったのが「新しい食材にあまり興味がない」という回答で、食に関しては保守的な人も。一方で「近くのスーパーに置いていない」という回答もあり、まだまだ多くの人がすぐに取り入れられる食材というわけではないのかも。
内容を理解し、積極的に実践している人は、SDGsが掲げている目標を「当然のこと」と感じ、未来のためにできることから始めているみたい。一方で過剰なエコによる息苦しい生活を心配する回答もありました。また関心が持てない理由として、SDGs=持続可能な開発目標という言葉がわかりづらいという回答も。詳細な内容と「今、自分ができること」が具体的にわかれば実践したい思っている人は多いようです。
<賛成・賛同>「とても良い活動。人間のエゴによって地球を都合よく使い過ぎだと思う」
「いろんな問題が溢れている現代ならではの取り組み」
「もっともっと広まって、一人ひとりの意識が変わればいい」
「協力したいと思っても、具体的にどんなことかよくわからない。もっと身近な言葉に置き換えて欲しい」
「身近なことをコツコツとみたいにもっと簡単な言葉に置き換えて欲しい」
「具体的に何をすればいいのか、もっと詳しく教えて欲しい」
「廃棄プラをなくそうというわりには、過剰包装のお菓子が流通したり、エコバッグが過剰販売されている」
「差別をなくそうとか当たり前のことを声高に叫んでいるのは違和感」
「地球に優しいことは賛成だけど、義務になると人の暮らしがつらくなって本末転倒になるのはいや」
以上、今回は「SDGs」についてアンケートを取りました。「SDGs」=「持続可能な開発目標」の具体的な内容を理解している人は、すでにアクションを起こしていることがわかる結果となりました。
中でも「環境問題」への関心が高く、食材の買い方や献立を工夫し、ゴミをできるだけ減らす努力していることが見て取れました。実践していない人も関心がないわけではなく、「具体的に何をすればいいかわからない」という理由が目立ちました。英語の頭文字を取った「SDGs」という言葉からは、その内容がイメージしづらいのかもしれませんね。
文/佐久間裕子