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「ダルさ」「もやもや」にサヨナラ!【薬剤師が教える】更年期の対策方法

  • 2021年2月9日
  • 暮らしニスタ

「最近疲れているのか全然やる気が出ない」
「気分が落ち込み、憂鬱な気分になる」
このような経験がある更年期の女性はとても多いです。

「やる気が出ない」や「気分が落ち込む」という状態は、30代から始まるといわれるプレ更年期や、40代〜50代の更年期の症状である可能性が高いです。

そこで今回は、女性を悩ます更年期症状のひとつである「やる気が出ない」ときの対策方法についてご紹介します。
(文/薬剤師 西林聡裕)

ベッドから起き上がれない日も…やる気が出ないのは怠け者だから?

洗濯は好きだったはずなのに最近は洗濯物が溜まっている、何をするにも面倒でやる気にならない、人によっては朝、ベッドから起き上がれないなんてことも。やる気が起きず、気分が安定しないのは、あなたが怠け者だからではありません。

実は、更年期にやる気が出ない原因は、からだの中で変わりつつあるホルモンにあります。

心配しないで!「やる気が出ない(意欲低下)」は更年期症状の特徴のひとつ

更年期症状には、「疲れやすい」や「気分がしずむ」というものがあります。このような症状が出る原因として、更年期のホルモンバランスの変化が挙げられます。

更年期には、女性ホルモンのひとつであるエストロゲンの分泌量が少しずつ減少していきます。まだ、更年期ではない年齢だとしても、30代はプレ更年期にあたります。エストロゲンはプレ更年期から少しずつ減り始めるため、30代でも更年期と同じような精神症状が出る場合があるのです。

エストロゲンが減り始めると、自律神経が乱れたり、精神的に不安定になったりします。そのため、更年期・プレ更年期には、イライラや意欲低下などの症状に悩む女性が増えるのです。

このように、更年期にはホルモンバランスの乱れによる意欲低下に悩む女性は多く、更年期の約20%の女性は「やる気が出ない」症状に悩んでいるといわれています。

更年期症状の解消方法

ちょっとした日常の行動を改善するだけでも、更年期症状が改善することもあります。

十分な睡眠、腹八分目の食事、適度な運動、ほっとできる入浴など、今の自分ができる少しの変化は、いずれからだと心に大きな変化をもたらすでしょう。

また、どうしてもやる気が起きないときは、物や人の手を借りることもひとつです。次に、おすすめの解消方法をご紹介します。

1.少しでも動けるなら運動

適度な運動は、幸せホルモンといわれるセロトニンを増やすことが知られています。運動の中でもおすすめはランニング。なるべく毎日続けましょう。

運動習慣がない方であれば、最初は5分からでも大丈夫です。できる運動を続け、毎日少しずつ距離や時間を伸ばしていきましょう。運動を続けていくと、振り返ったときに達成感を感じることができますよ。

2.アロマオイルを利用する

アロマテラピーは、香りによるリラックス効果があるといわれています。香りを嗅ぐことで気分転換になり、やる気向上につながります。

おすすめはベルガモットやレモンの香り。落ち込んでいる気持ちをスッキリとしたさわやかな香りとともに上げてくれます。

3.医師に相談

症状がつらい場合は、我慢せずに医師に相談しましょう。信頼できるかかりつけの医師に相談すれば、聞いてもらうだけでも気持ちが安定しますよ。

さらに、あなたに合った治療方法や薬を提案してくれるでしょう。また、必要であればホルモンを補充するHRT(ホルモン補充療法)の説明・治療も受けられます。

薬剤師が教える!やる気が出ない更年期症状におすすめの漢方薬

「いろいろ試してみたけど、セルフケアではあまり効果を感じられなかった」
「病院でホルモン療法をするのは抵抗がある」

そんな方には漢方薬がおすすめです。
「やる気が出ない」「気分が落ち込む」「なんとなくだるい」など、さまざまな症状に効果がある漢方薬はいくつもあります。

漢方薬は、多くの症例により効果が認められているお薬で、自然の素材がからだにやさしく働くため、一般的には、西洋薬よりも副作用が少ないといわれています。

また、漢方薬は現在生じている不調を抑えるだけでなく、根本的な体質の改善を目指すものなので、更年期の気分の落ち込みに悩む方に、ぜひ試していただきたいお薬です。

さらに、健康のために、栄養バランスの整った食生活や、ジョギングや筋トレなどの運動習慣を続けるのは難しいという場合でも、漢方薬なら自分の症状や体質に合ったものを毎日飲むだけなので、手間なく気軽に継続できるというメリットもあります。

効果が認められている漢方を毎日の生活に取り入れることで、健康を維持して快適な生活をめざしてはいかがでしょうか。

更年期の気分の落ち込みにおすすめの漢方薬

●加味逍遙散:気分にムラがある方に 
からだの気の流れの乱れを整え、精神不安やヒステリーを改善してくれます。

●当帰芍薬散:疲れやすく冷えがある方に
不足している血を補い、からだをあたためることで血のめぐりを改善してくれます。

●帰脾湯:疲れているのに熟睡できない方に
気を補い、胃腸の働きを高め、だるさを解消してくれます。

ただし、漢方薬を選ぶときに重要なのは、その人の状態や体質に合っているかということです。うまく合っていないと効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用が生じることもあります。

どの漢方薬が自分に合うのかを見極めるためには、プロの力を借りるのがおすすめです。「あんしん漢方」などのオンライン漢方サービスに、一度相談してみるのもいいでしょう。

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「やる気が出ない」ときは、ホルモンバランスを整えよう

更年期には、ホルモンバランスの変化によって、「だるい」「やる気が出ない」といった精神症状が出やすくなります。あなたのやる気のなさも、ホルモンバランスのせいかもしれません。

また、気分が落ち込み、やる気が出ないのなら、気分が上がるように環境を変えていきましょう。まずは乱れている日常生活を正しく整えることが大切です。そして、美味しいものを食べたり、音楽を聞いたり、好きな香りを嗅いだりしながら、日常を楽しんでいきましょう。

やる気が出ないことに一人で悩んだり落ち込んだりする必要はないので、まずは自分の出来ることから気持ちの改善をめざしてみてください。ときには漢方薬を取り入れ、ホルモンバランスを整える生活を意識してみてくださいね。

<この記事を書いた人>

西林 聡裕
1981年千葉県生まれ。薬学部卒業後、調剤薬局にて薬剤師として従事し、店長、管理薬剤師などを経験。その後、人々に合う真の健康を模索するため医療業界を多面的に活動。所有資格は、研修認定薬剤師、漢方薬・生薬認定薬剤師、公認スポーツファーマシスト、日本抗加齢医学会指導士、NR・サプリメントアドバイザーなど多数。現在、既存の医薬品だけでなく、日本古来の漢方薬から最新のサプリメントまで幅広い知識で各々に合う体調改善を提案し活躍中。

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