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汗のかきすぎは治せる? 原発性局所多汗症

  • 2019年11月11日
  • ケータイ家庭の医学SP

頭、顔面、脇、手のひら、足の裏に対応

手のひらの汗で握手ができない、手に持った名刺や資料がよれよれになる、頭や脇からの汗が気になって、人前に出るのがイヤ……汗をかきすぎる「多汗」の悩みは深刻です。わが国の手のひらの多汗症の頻度は約5.3%、脇の下では約5.8%という報告があり、悩む方は少なくありません。有効な治療法もあるので参考にしてください。

◆発汗は、生命維持にはなくてはならない重要な機能。誰でも1日に700〜900mlの汗をかくといわれます。しかし汗のかきすぎは社会生活を送るうえで、さまざまな悩みをもたらします。汗をかきすぎる病気=多汗症には標準的な治療法が確立されており、保険適用で治療を受けることができます。

◆治療の対象となる「原発性局所多汗症」は、原因となる疾患がなく、ある部分だけに汗を過剰にかく多汗症です。多汗症の診療ガイドライン(2015年)で定義されているのは、頭、顔面、脇、手のひら、足の裏。以下のうち2つ以上当てはまれば多汗症と診断されます。
(1)25歳以下で最初の症状が現れた
(2)発汗が左右対称
(3)睡眠中には過剰な発汗がみられない
(4)1週間に1回以上多汗のエピソードがある
(5)家族歴がある
(6)日常生活で支障をきたしている

◆原発性局所多汗症のほかに多汗を示す病気としては、甲状腺機能亢進症(バセドウ病)、褐色細胞腫、悪性リンパ腫、更年期障害などがあり、これらではないことを確認することが重要です。原因疾患を治療する必要があります。

◆原発性局所多汗症の治療はまず、塩化アルミニウムを含んだローションやクリームを外用薬として用います。塩化アルミニウムが汗管と結合して汗の出口をふさぐ働きをします。1日1回、就寝前に塗り、効果が現れるのは塗り始めてから2〜3週間後。脇の場合はほとんどすべての症例で有効であり、手のひら・足の裏でも6割以上に有効だったという外国のデータがあります。副作用としてかぶれが起こることがあり、頭や顔には使いません。

▽▼▽ 次ページでは 治療の効果がない場合について など▽▼▽

(監修:関東中央病院 皮膚科特別顧問 日野治子)◆効果がみられなければ、弱い電流を流して汗の出口を狭くするイオントフォレーシス療法を行います。金属板の端子の入った容器に水道水を満たし、その中に発汗部位の手のひら、足の裏をひたして通電します。週1回の通院で、5〜6回行うと効果が実感できるようになります。この治療も保険で受けられますが、治療している医療機関を確認する必要があります。

◆内服薬としては、交感神経の働きを弱める抗コリン薬が用いられます。5〜6時間ほど効果が持続するので、汗をかきたくないイベントの前に飲むなどの服用法が勧められます。
副作用として眠気を催すので、車の運転は禁止です。

◆重症の脇の多汗については、A型ボツリヌス毒素製剤であるボトックスの注射が保険適用になっています。脇の下に片方につき15カ所程度注射すると約半年間効果が続き、副作用もほとんどありません。手のひらにも有効ですが、注射の際の疼痛が強いうえ、現段階では保険適用になっていないので、こちらは医療費が高額になります。

◆また、精神的な緊張が発汗の要因になっていたり、汗をかくことへの不安が多汗症を治りにくくさせている場合には、森田療法や認知療法などの精神療法を併用するとより高い効果が期待できるとされています。

◆汗をかく量が多いことで、仕事や学校など人前に出るのがつらい、気になって外出したり自由な活動がしにくい、希望の職業につけない(美容師、接客業、精密機器を扱う技術者など)、洋服や靴がすぐダメになるなど、生活に支障を感じているようだったら、皮膚科に相談し、適切な治療を受けることを考えてみましょう。

(監修:関東中央病院 皮膚科特別顧問 日野治子)

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